バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

タグ:自閉症スペクトラム

『ナショナルジオグラフィック』の日本語版が日本で発行された最初の年、定期購買を申し込みました。 その一年間だけだったかと思います。 何年前というか何十年前のことだろう・・・ 

新型コロナウィルスの情報を検索していて日本語版ナショナルジオグラフィックのサイトに当たり、オンライン記事を読むため無料登録してニュースレターが届くようになったのですが、先日は自閉症に関する連載が掲載されていました。

研究室に行ってみた。発達障害クリニック附属発達研究所 自閉症 神尾陽子

普段私が目にする記事、親のための子供の発達障害についての内容とは一味違う印象を受けました。

親が子供の問題を解決するために理解するというのではなく、インタビュアーが発達障害とは関係のない小説家・文筆家の川端裕人さんで、答えるのは研究者であるので、自閉症とは何かという根本的な疑問から研究の方法などにも言及し、自閉症スペクトラムを全体的に解説している。 症例も豊富で、目から鱗やハッとする言葉がいっぱい。

「スペクトラムは1次元ではなくて、多次元で、おまけに時間変化するんです」
「自閉症だという診断で全部その子を理解しようとしちゃったら、あんまり適切じゃないわけです」

など、S校での指導が自閉症はこうだという固定観念に縛られ、息子には合わないゆえ余計おかしくなり悩んだことを思い起させ、

「園長先生にお手紙を書いたんですよ。でも『私は発達障害をよく知っているけれど、この子は違います』って園長先生に言われちゃったって」

とか、以前住んでいた市で心理学者、幼児教育、保健士といった"専門家"から「この子は違います」って言われ続けたので、本当に何も分かってない"専門家"ばかりだったんだなーとつくづく思い、

それから、他の日本の発達障害の専門家(ベテラン)で「今は発達障害と誤診・過剰診断されることが多い」という内容の記事を書いている人がいますが、この人は子供の可能性を信じ、子供はその子のまま受け止めてあげようって考えで、学校でのインテグレーション推進みたいなんだけど、それで困るのは当事者の子供・・・ 

インタビューでも「ほんの少しスコアが低い(自閉症傾向が小さい)だけとか、診断に必要な要素が一つ足りないとかで、自閉スペクトラム症の診断を受けない子たち」の枠に入ってしまい、「結局後で問題になるケース」「学校に上がって不適応で不登校になったり、うつ状態になったり」で「子どもの時には診断がつかない「診断閾下」(サブクリニカル)のグループ」となる例があげられている。

自閉症の過剰診断を憂えているのは「自閉症であることそれ自体、社会生活を難しくする。しかし、それ以上に、自閉症の影に隠れて見えにくい情緒や行動にかかわる合併症が、のちのち大きな問題になってくる」という着眼点がないように思う。 確かに自閉症のレッテルを貼られたことにより人生転落?する例もあるかもしれないけど、今の社会は昔とは違うので、レッテルを貼られたことにより理解や支援が得られるメリットが多いんじゃないか?

このナショジオのインタビューは自閉症についての指南ではないので、すっごくおもしろかったし、ためになったのです。 親向けの指南って、実際は我が子に当てはまらないこともたくさんあるから。 それよりも自閉症スペクトラムとは何ぞや?と研究内容やその結果をもとに説明してくれる方が腑に落ちることがたくさんあり、うちの子に当てはまることもいろいろあり、理解することができると読みながら思いました。 

ナショナル ジオグラフィック日本版 2020年5月号[雑誌]
日経ナショナルジオグラフィック社
2020-04-30

今月号『のナショナルジオグラフィック』は自閉症の特集記事があります。
●大人の自閉症
自閉症の人は仕事やパートナーを見つけにくい。そんな状況を変えようと、手を差し伸べる人たちがいる。
●自閉症の兆候を見つける
自閉症になる子どもは、脳の成長が早すぎることがわかった。この発見は障害の予防や軽減につながるか。

表紙にある「昆虫はどこに消えた」も気になります・・・
(追記:日本語版ナショナルジオグラフィック、今年で25周年だそうです。)

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先日(3月9日)、息子の担任お二人と夫と私の4人で、息子の言動について話し合いの場を持ちました。 12時半からで、授業は12時に終わり息子は14時まで学童の時間。
 
メールで前もって伝えていた内容は、病院の言語聴覚士さんや聴覚療法士さんと会ったとき、息子は話していてもアイコンタクトをしない、また突然相手の素肌(腕)に抱き着くという行動に走るが、学校ではどうか? それから他に気になることもリストとして書きだし持参しました。
 
先生方はまず、「いつも通り、ポジティヴな、息子さんの良い面からお話ししましょう」と、息子は授業の課題をよくこなす、「ABCの本」も「123の本」も既に終えてしまったし、アルファベットを図画工作にしていくのも器用に集中しどんどん作っていくし、本当に素晴らしいセンスがあり、将来芸術家になるんじゃないかしら、と教えてくれました。
 
それは家でもそうで、親としても承知しているのですが、その興味があることだけに対して発する並外れた集中力と芸術的センスは、発達障害につながるんじゃないかしらーと、また私の中でむくむく疑問が沸き、続いての「息子の問題点」は、まさに私たちが書きだしたリストと一致するもの。
 
「息子さんは、他の子供たち(クラスメート)の話を聞きません。 自分のことはいろいろ話したがるのですが、他の子が話しているときは、上の空だったり、あっちに行ってしまったり。」
私が息子の「社会性とコミュニケーション」リスト1番目に書いた、人の気持ちを理解できない、に当てはまります。(他の子供たちが嫌がったり、怒ったり、悲しそうだったりしているのに、遊ぼうとと寄っていき一人ではしゃいでいることも。)
 
それから、アイコンタクトも、やはりできていなかった。 毎朝先生方は一人一人の生徒の目を見て挨拶をするのですが、息子は目をそらしていたそう。 「この美しい目を見て」と言ってアイコンタクトさせるようにすると、それからはビシッと目を合わせるようになったそうですが、一つのことを教え納得すると必ず律儀に毎回する傾向があります。 例えば、ジャケットを着るとき、シャツの袖が上にめくれ上がらないように必ず袖口を手で押さえてからジャケットに腕を通します。 夫が教えたことで、私がビックリするほど、毎日、毎回、律儀にします。 (しかし、何回教えてもやらないものはやらない傾向も。 2歳頃から、食事でも遊びでも勉強でも左手を使わないでブラブラさせていて、毎日、毎回言っているのに、いまだ直らない。)
 
そして、やはり素肌を触っていた! 最初(学校が始まった前学期)のうち、握手だけでなく、素肌の腕までベタベタ触ったり、夏でミニスカートを穿いていた先生の生足を触っていたことも! 先生方が「挨拶は握手だけでいいのよ」と言って止めさせ、しないようになったとのこと。 
 
おまけに、私たち親はまったく知らなかったのですが、家ではしないことなのですが、学校でズボンとパンツを下げ、おしりや前の方も、他の子たちに見せ喜んでいる! (露出狂!?) 他の子たちは「気持ち悪い」と言って嫌がっているのに、それが分からない、おもしろいと思ってやっちゃう。 いつでもどこでもではなく、特に体育で着替えるときにしているそうです。 
 
また体育は隣校の体育館と着替えのロッカールームを共同で使っているのですが、息子のクラスが終わった後、隣校の年上の生徒がやって来て着替え始めたのですが、息子はその男子の裸体に興味津々で見入っていたため、先生方が慌てて息子を外に連れだしたということもあったと聞き、絶句。
 
先生も「体の部位などに異常な関心を示すのは自閉症にありがちな行動でもある」とおっしゃっていました。
 
問題は、まだまだあるので、続きます・・・
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