バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

タグ:日本語

前々の記事が2月休暇のことでしたが、今日書こうと思ったのは3・4月のイースター休暇のことで、あと2ヶ月したら夏休み・・・ まだまだ先と思っていたら、もう日本へ行く準備も始めなくちゃ。 2ヶ月先と言っても(6月の前半から休み!)、それまでに4連休が2回、祝日や先生の研修日で休みの日もあり・・・学校行くのは実質1ヶ月じゃないか?(一年中同じことを愚痴っている気がする。)

復活祭は(今年は)3月29日の金曜から始まり4月1日のイースターマンデーでしたが、学校はその週一週間休み。 しかも月曜から息子は学校行ったのに、夫は休みで家にいたので、休暇明けは溜まってしまう掃除やら片付に終われ、ようやく一人時間(これも、いつも休暇明けは同じことを書いている気がする。)

イースター休暇中は、ちょうど3月最後の日曜日から夏時間になり、時計の針を1時間進めたため、続く一週間は辛かった。 たかが1時間でも心身の方はすぐに切り替われないのです。 しかも休暇で学校がないため規則正しい生活リズムの立て直しが難しかった。

休暇中の始まりは、図書館で映画(オンラインのオンデマンドで視聴できる)を3本借り観ました。 その3本とは、

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
息子はマクドナルドがどうやって出来たのかを知る楽しい映画だと思っていたら、なんとマクドナルドは創始者から乗っ取って巨大になったという黒歴史を知り、若干ショック。 ビジネスの汚いやり方、社会の裏に蔓延る闇の現実を知ることは、子供から大人に変わる時期にいる息子にとって大切なことでもありましょう。

『1984年』
ジョージ・オーウェルの有名小説の映画化ですが、1956年イギリス製作の古い方。 SF要素を含んだ全体主義、共産主義批判。 息子が興味を持ち、理解することもできるようになったのね。

『釜山行き』
邦題は『新感染 ファイナル・エクスプレス』だそうで、韓国のゾンビ、スプラッター、パニック映画。 人間模様が良く、私は最後、涙を堪えることができませんでした。

と、息子が選んだ、3本全く異なる映画でしたが、これから映画もどんどん見ていろいろ学び考えるようになって欲しい。

それと、息子の国語力を磨くため、海外でもオンラインで視聴できる NHK for School を活用。 今まで算数や理科の番組は活用していたけれど、国語は必要ないと思ってあまり見なかったけれど、お話や漢字や諺などは現地語の役に立たないけれど、文章問題のテクニックは現地語に役立つのじゃないかと見てみたら『読み書きのツボ 5・6年』があり、一つ見てみたら息子に必要なことがドンピシャでまとまっている! これは良いと、4月の休暇中に見ようとしたら・・・

ない、ない、どこにもない!? あれ? どうして? と散々探して【さんすう犬ワン】【読み書きのツボ】配信終了のお知らせというページに行き着いた! 「以下の番組は、3月下旬に配信を終了いたします」って・・・

『読み書きのツボ 5・6年』見つけたの3月だったのに・・・ 息子共々それよりショックだったのは『さんすう犬ワン』の終了!! 息子と一緒に沢山見たよ、この番組。 最近は高学年向けの『算数刑事ゼロ』の方しか見てなかったんだけど。

『さんすう犬ワン』は、カズラーという怪人が数字で事件を起こし、お巡りさんコンビとシバ犬のワンが解決するというパターンなんだけど、交番とか民家とか和菓子とか、かなり昭和な香りの設定がハマりました。 (確か1話は、カステラを等分するお話で、カステラ食べたくなって仕方なかった。) いろいろ人情物語も絡んだりして(それは『算数刑事ゼロ』もなんだけど)ベタなストーリー展開がまた良かったんだな。 1話ごと登場人物も多い。 算数だけでなく、日本の生活も垣間見ることができたのです!?

それが、新しく始まった『さんすうレスキュー』は(息子が見たいというので見てみると)、登場人物は女の子とマペット二人だけで、部屋から移動しない。 明らかに経費削減! 衣装や小道具がカラフルなだけで、内容も面白くない! マペットの一つが、昔のコンピューターのモニター(箱型)だ!と、息子は文句言っているし(それが一番印象に残ってしまったようだ)。

悲しいよ。

『読み書きのツボ 5・6年』の代わりは、NHK for Schoolにはなかったのですが、在住国の公共の教育番組に、低学年向けの文法や読み書きの番組がありました。 それが正しくNHK for Schoolと同じで、登場人物たちが大げさなキャラクター設定のもと、架空の生活環境でドタバタ演技と歌と踊りを繰り広げるパターンなのですが、必要なことを的確に(10〜20分以内に)説明してあり分かりやすい!

もう中学生だけど、息子は全然わかっていないので、これで国語の基礎をおさらいしよう。(私も・・・) NHK for Schoolも、息子は日本語はただ喋っているだけで、日本語の基礎というものが身についていないので、日本語学習者にもちょうど良いと思いました。 夏休みに日本に行く前に活用しましょう。
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言語聴覚士さんに質問した「感音性難聴で高音域が聞こえない子にとって英語を習うのは難しいことですか?」の由来は、ふと目に入った(日本語の)英語学習に関するネット記事です。

「英語の周波数は2000〜12000hz、対して日本語の周波数は125〜1500hz」だから、日本人にとって英語の聞き取りは難しいという内容。

以前だったら何のことかさっぱり分からないhz(ヘルツ)という周波数、しかし今ではすっかり身近となった周波数。 

それが言語によって異なるとは知りませんでした。

息子は高音域が聴こえない(聴こえにくい)「感音性難聴」です。 この(下の)表で見ると、4000hz8000hz の間にある f,th,s の音が(息子のこの音域の聴覚は80dBなので)聞こえません。 補聴器をつける前は、発音もできていませんでした。(聞こえないから発音できない。)

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でも、この(下の)表を見ると、日本語にはここまで高い音域の発音はないんですね。

syuha

だから、息子は日本語の方が現地語よりも上手に話せたのかな、と思ったのです。 そして、英語は特に周波数の高い言語だとすると、高音域が聞こえない息子には、英語がまったく聞こえない!?と疑問に思いました。 (じゃあ、英国で感音性難聴の人は、どうなるの?とも。)

そこで、言語聴覚士のC先生にお聞きしてみると、

「言語によって周波数が異なることは知っているけど、それが難聴者に影響を与えるとは聞いたことないわ。」という答えでした。

つまり、難聴者にとって、言語により聞こえやすい言語と聞こえにくい言語がある、ということはない。

難聴者にとって聞こえにくいのは、音域よりも「摩擦音」だそうです。 C先生はネットで検索して、日本語と英語の音声表記を出し、「日本語には、フとかザとか、あるのね〜」と、プリントアウトすると、摩擦音にハイライトしてくれました。

参考: 大辞林 特別ページ 日本語の音

音域よりも、ポーランド語など、シュシュという摩擦音がたくさん入った言語の方が聞き取りにくいともおっしゃっていました。

それから、私が疑問に思った(じゃあ、英国で感音性難聴の人は、どうなるの?)ですが、夫が知り合いの「アイルランドで生まれ育ち20歳で英国に移住し、今はこの第3の国に住んでいる80歳の男性」に聞いてみました。  この方、生まれたときから難聴だったそうですが、それに気付き補聴器を付け始めたのは成人してからだそう。 この男性にとって英語が聞こえにくい言語ということはありませんでした。 なぜなら英語は母国語であり、生まれる前から聞いている言葉です。 それより、外国語である今住んでいる国の言葉の方が、聞き取りにくいそうです。

それから、第3の質問「英語学習は今すぐ始めるべきですか?」の答えは、「今から英語を導入する必要はありません。 この子に今必要なのは現地語と日本語であり、この二つの言語の語順などを学ぶ方が先です。」

しかーし、実は先日、夫が「難聴児童のための特別学校」の見学に行ったのですが、そこの校長先生が「この学校では小学校1年生から英語を学び始めます。 通常は3、4年生から始めますが、難聴児にとって英語の習得が困難であることに気付いたので、早めに慣れさせることにしました」と説明していたというのです。

全体的に聞こえない難聴児の場合それほどでもないけれど、「感音性難聴」の場合、慣れない音を拾う(聞き取る)のが難しく苦労するそう。 そこで、音に慣れさせるということで、1年生から英語の歌をうたうなど、 英語に慣れ親しむための英語学習を導入しているそうです。 

英語の勉強というと、文法やスペリングなどをガンガン暗記するイメージがありますが、そうではなく、まず英語の音に慣れることが大切なんですね。 じゃないと、聞き取れないし喋れない。

学校でも英語は、国語•算数と並んで重要な科目。 やはり早期の対策が大切なようです。 (私もC先生が何と言おうが、今から英語を息子に導入しようと考えていたのですが。)

息子は英語の子供の歌が好きで2歳頃から聴いていました。 歌うのも好きで、歌おうとするけれど、歌詞はめちゃくちゃ、メロディーだけ。 今までは、そのままにしていたけれど、これから英語もきちんと発音できるよう正していこうと思います。 (導入するといっても、その程度かな。)
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