バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

カテゴリ: 聴覚障がい者と話すとき

以前、現代ビジネスのウェブサイトに『淋しいのはアンタだけじゃない』の作者と編集者さんのインタビューが載っていましたが、そこで「佐村河内さんの騒動に関しては執筆終了後にお会いできた新垣隆さんのこと・・・(中略)もっともっと描けたのではないか、とも・・・。」とあり、私も読みたかったなぁと思っていました。

この人が「聞こえていないと思ったことはない」と発言したため、日本中の聴覚障がい者が無理解のどん底に突き落とされたわけで、自分の息子が佐村河内氏と同程度の感音性難聴であることが分かったとき、私だって息子のこと聞こえていないと思ったことはなかったけれど、息子は聞こえていなかったのが事実なわけで、その後日本のメディアが突然新垣氏を持ち上げはじめ、チャラチャラした新垣氏を見ると(私の場合日本のニュース記事をウェブ上で読んでいるとき偶然目に入ってくるときぐらいですが)、不愉快になったりしました。

そんな私も聞いてみたいと思っていたこと、漫画家の吉本浩二氏と編集者さんが直接新垣隆氏に伺ったインタビューが、なんと現代ビジネスのウェブサイトに掲載され、びっくりしました。 「ある漫画家が、新垣隆さんにどうしても聞いておきたかったこと あの騒動から間もなく4年」 双方とも、とても誠実に語っています。

吉本浩二氏は、聞こえる人だけど、まさに聴覚障がい者の思いを代弁しています。 新垣隆氏の言い分もよく分かります。 

結局、当事者たちもメディアも、「聴覚障害」の事実に関してはまったく視野を入れず無理解のまま騒ぎ立てただけなんですね。 佐村河内氏はキャラクターが強烈だから、余計に「聴覚障害」の部分がおもしろおかしく取り上げられ、それが「聴覚障害」全体に関する無理解や嘲りにつながっていたような・・・ 

娯楽として「聴覚障害」に対する無理解を広めていった日本のメディアに怒りはあるけれど、「聴覚障害」について、人々と交流し丁寧に救い上げて形にしてくれたのも、漫画という媒体のメディアだったんだなぁと、このインタビューを読んだ後に気がつきました。

そして私だって、自分の息子が感音性難聴でなかったら、そのまま「聴覚障害」とは接点を持たずに、気にも留めず、知らなかったときのまま、人生を過ごしていったでしょうね。

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聴覚障がい者をテーマにした漫画『淋しいのはアンタだけじゃない1』を、アマゾンのKindleで(2017年10月19日まで無料お試し)を読了しました。





海外に暮らし、海外で難聴児の子育てをしているので、日本の聴覚障害を取り巻く状況は一切分からないので、その点でも興味深かったです。

2014年に起こった音楽家、佐村河内守氏のゴーストライター事件についてのエピソードがかかれていますが、この件については当時ネットのニュースで目にしました。 このとき、息子の難聴はまだ分かっていなかった。(分かったのは2015年。) そのとき佐村河内守氏の記者会見の様子をネットの動画で見たのですが、私も氏は聞こえて喋っていると、そのような印象しか受けませんでした。 息子の難聴が分かるまで、「難聴」がどういう状態であるかまったく知識はなく、耳が悪い人は、聞こえるか聞こえないか、聞こえなければ喋れない、聞こえにくいのはただ単に音が小さく聞こえるから、といった認識(思い込み)しかなかったのです。

またそのときは、日本を離れて10年以上たっていたし、佐村河内守氏が誰であるのか、なにを日本のメディアは大騒ぎしているのかまったく理解できず、めんくらって?????。 芸能人相手のバッシングなんて下らない、胸が悪くなるだけのもの・・・という思いしか残らず。

息子の難聴が分かり、それがどういう状態を意味するのか勉強していくうち、思い出したのが佐村河内守氏です。 「あ、あの人、聴こえてなかったんだ・・・」と。 息子も、聞いて話せる、でも(他の人たちと同じ状態という意味では)聴こえていない。

読んでいて痛感したのは、やはり日本は(障がい者に関して)感情論の方が先走りのかな・・・ということ。 在住国では、論理的で実用的であることが最重要。 だから、息子の聴覚がどういう状態であるのかオーディオグラムを見ながら説明があるし、補聴器はすぐにつけさせられるし、手話を使うのは聴覚障害者の権利とされる。

これは別のところで目にしたのですが、日本では小さな子に補聴器をつけるなんてかわいそう・・・という親や大人の言葉。 ここ(在住国)でそんなこと言ったら、子に対する虐待とみなされます(笑)。 漫画の中では、昔の聾学校で「とにかく、まずは可愛がられる人になりなさい。特技とか何もない人は笑顔で答えなさい。」と昔の聾学校で教えられたというエピソードがでてきますが、これも、在住国では通じない・・・(もともと笑顔の人少ないし・笑)。

でも、在住国でも聴覚障害者が長く虐げられてきた歴史(手話も禁止だった)があり、それを踏まえ聴覚障害者たちが声を上げ、自分たちの権利を主張し状況を改善してきた。 今息子は、その恩恵を受けていると感じます。

漫画の中では、私が知らなかった2007年に北海道で起きた「聴覚障害者集団偽装事件」についてちょっと触れられ、本当にいろいろ考えさせられたり、日本で聴覚障害者はどのような状況にいるのかだんだん分かってきます。

でもね、私も、息子が難聴でなかったならば、今でも(聴覚障害に関して)無関心、無知のままだったでしょう。 自分に関わりのないことを理解するのは難しい。

ところで、アマゾンのKindleで10月19日まで無料お試しをしているのを知ったのは、この記事を偶然目にして読んだから。(そこからアマゾンに飛んでみたわけです。)

耳の聞こえない人は、世界をこんな風にとられていた(聴覚障害を描くこの作品をしっていますか)

現代ビジネスのウィブサイトで、作者の吉本浩二氏と担当編集者のお二人へのインタビューです。  
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レクチャーで『聴覚障害者と話すときの9つのアドバイス』という、パンフレットを貰いました。 イラストと共に簡単なアドバイス(注意する点)が書かれています。

 

相手の注意を引きましょう。 聴覚障害者は、聞くとともに話者を見ている必要があります。
(息子の後ろの方から、突然「だから、この前ママが言ったでしょ」などと話しかけても、本人は自分に話しかけられているとは気付かないんですよね。)
 

相手の目を見ながら(アイコンタクト)直接話しましょう。
(きちんと息子の前に行き、目を見て、直接話しかけないといけません。)
 

明瞭にはっきり話しましょう。 早口で話さないこと。 必要なら何度か同じことを言いましょう。
(怒っていると「ちょと、分かってんの!?分かってんの!?分かったの!?」と早口で、必要のないことを繰り返す私です。。。)
 

普通のヴォリュームで話しましょう。 大きな声を出す必要はありません。 耳の側で、また補聴器に向って、決して大声を出してはいけません。
(補聴器は、聞こえにくい音を大きくする機能があります。 息子は高音域が聞こえないので、高い音を拾うよう補聴器は調節されています。 側で幼児がキャーキャー叫んでいたら「ボクの耳が痛いから止めて!」と言っていたことがあるので、私も気をつけなければ。)

不必要な騒音を控えましょう。 ラジオやテレビのヴォリュームを下げ、静かな落ち着いた環境で話すようにしましょう。
(音楽を流しながらの会話は難しいんですね。 騒音が溢れているお店やカフェも聞こえにくいと言います。)
 

新聞や本などに隠れながら話すのはやめましょう。 口に手を当てて話したり、ものが口に入ったまま喋るのはやめましょう。
(「食べながら話さない!」とは、子供によく言いますが。 私も朝食やおやつの時など、何か食べながら手元にある新聞等を読みながら、息子に話しかけていますね。。。)
 

暗いところでは話者の顔に光が当たるようにしましょう。 聴覚障害者にとって話者の唇の動きが見えるようにしましょう。
(読唇術
は特に必要ないと聞きましたが、やはり唇の動きは理解の助けになるのかな?)
 

数人で話しながら笑ったり微笑んだりするときは、聴覚障害者になぜ笑っているのか理由を説明しましょう。
(不愉快や疎外感を生まない配慮も必要ですね。)
 

数人で話す時は、何について話しているのか、聴覚障害者に伝えながら話すようにしましょう。
(会話に
ついていけるように。)


以上、健聴者側の配慮です。 慣れない外国語でも、同じ配慮が必要かもと、海外で暮らしているので思ったりします。

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