ことの始まりは昨年12月半ば(息子8歳になる1か月前)。 その日は私がずっーと(息子と一緒に)行きたいと思っていたクリスマスマーケットに行けることになり、そこでボランティアとしている夫の伯父さん(70代のアスペルガー症候群)に案内してもえることにもなり、前日に伯父さんへのお土産のケーキを焼き、当日は天気にも恵まれ、準備万端で出かける矢先、息子が電車に乗るのが怖いから行きたくないと言い出した。

息子は電車が好きで、次に乗るのはいつかなーと楽しみにしていたのに、突然そんなことを言い出し、駅までの道すがら(約5-10分ほど)もブツブツ言いながら落ち着かない様子。 今までこんなことなかったのに。(前回電車に乗ったのは10月末だったので、ちょっと久しぶりでした。)

駅に着いたがやはり乗りたくないと騒ぎだし、実際電車の中に入ったら、パニック状態になり電車から飛び出し、どうしても行きたい私とプラットフォームで怒鳴りあう始末。 どうしようもないので結局家に戻り、その日の計画が流れたことは、楽しみにしていた私の方がショックでした。

なぜ突然電車に乗るのが怖いと断固拒否しだしたのか分からず、その翌々週のクリスマスイヴ前日に、今度は以前住んでいた町の近所だった老夫婦を訪問することにしました。 最初は電車に乗って遊びに行くことを承諾したものの、やはり電車に乗るのは怖いと言っている。 そして、実際に駅に着くと、前回とまったく同じ展開! 

そしてクリスマスイヴに夫の実家、つまり祖父母に会うのも拒否。(結局、イヴに夫が一人で、クリスマスに私が一人で夫の実家に行き、息子は両日とも家で留守番。) クリスマス休暇中もどこにも行けず(うちは車がないので)、自宅と近所で過ごす日々・・・は、私にとって辛い!(どっか遊びに行きたいのは私の方。)

大好きな伯父さん(夫の兄)のとこにも行こうとせず、皆、突然どうして・・・と首をかしげる中、唯一「かわいそうに。 分かるよ、分かるよ、その気持ち」と息子に理解をしめしたのは、自閉症スペクトラム(当時はアスペルガー症候群と診断された)夫の甥っ子(息子にとっての従兄、既に20代)と前述の夫の伯父(義母の兄)。 やはり分かり合えるものなのかしら?

このまま電車に乗れないままだったらどうしよーと別の意味でパニックになったのは私で、それというのも息子と私は今年の夏休みにまた日本へ帰省する予定で、既に航空券を購入してあるのです、11月中に。

電車に乗れないということは、飛行機も怖くて乗れないと息子は言い、既に本人は日本へ行けない宣言をしている。 航空券はキャンセルの場合の保険をかけていないので、行けなかったらすべてパァーだし、2か月もの長い夏休み、ここで過ごすことになってしまう! なんで今ー、なんで突然ー。

で、1月に息子のカウンセラーさんに初めてお会いしたとき、この突然の「電車恐怖症」についても話し、心理療法士と特殊教育専門家による面談が4回組まれることになったのです。 が1回目に病院に行ったとき、息子は病院の建物が嫌だと(つまり電車と同じような理由で)逃げ出し面談ならず・・・ と前回に書きました

それで2回目の面談は夫だけ出向き、次回から我が家に訪問していただくことに。 翌週の3月14日の朝に来ていただきました。 心理士さん、特殊教育者さん共に定年もそう遠くないようなお年頃の女性。 息子には事前に話して合ったし、家にお客が来るのは好きなようで、息子は外まで迎えに出たり、家の中を案内したり、自ら電車に乗るのが怖くて乗れないということを説明し始めたり、機嫌よく愛想よく接していました。 心理士さんの方は東欧の国出身で、現地語にお国訛りが強く出て、息子が「なんて言っているのか分からない」という一幕もありましたが。 しかし、30分ほどすると息子も飽きてきたらしい。 台所のテーブルに着き、お二人が地図などを広げて、ここからここまでバスで行くとか電車で行くとか、そんなルートの話をし、おもむろにオモチャの電車を取り出し説明しようとしたところで、息子、両手をターブルの上にバンッとおき立ち上がるとプイッと出て行って、寝室の中に閉じこもると、もう出てこない。

息子の気持ちを代弁すると「やってられないよ。 いい加減にしてくれ。」  きちんと電車に乗れないことは説明したのに、いつまでたっても電車の話してくるし、あげくに子供騙しのオモチャ持ち出して …って私も思った(笑)。
 
2日後の金曜の午後に再び訪問してくださったのですが、この日は息子の歯茎が腫れ歯医者で緊急手術(←これがまたひと騒動で…)することになり、お二人は挨拶とお見舞いだけ言って帰っていかれました。

しかしその前日に息子は、週末に電車で以前住んでいた町のご近所さんのとこに行こうかな、と言い出していたのです。 

実際、日曜に何の問題もなく、以前のように電車に乗ったのでした。  本当に、今まで何だったの…

翌週の火曜日に、また心理士さんと特殊教育者さんのおばあちゃんズが訪問してくださった際には息子も上機嫌に迎え、電車に乗れた話をし、日本にも飛行機に乗って行けると言い、日本の写真アルバムを見せて説明したり、私が焼いたメロンパンを食べたり、最後にお二人が持ってきたメモリーゲームをし、お開きとなりました。 今日は楽しかった、今度は病院の方にも行けるよーと、にこやかに見送る息子。

今までは、なんだったんだー!?

そして、おばあちゃんズ先生方は何か意味があったのだろうか、何を息子にしてくれたのだろうか…とも思うのでした。 でも多分、お二人が来てくれたから息子は電車に乗れるようになったんだと思います。 「こんなかったるいこと続けるなら、さっさと電車に乗った方がいい」と悟ったのかも。 それは私の胸の内、ですが(笑)。

今日はヨーロッパではイースター(復活祭)で、息子は夫と一緒に夫の実家に行きました。 祖父母に会うのは5か月ぶりです。
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