海外に住んでいるが、親が日本人で日本語ができる学齢期の子供は、夏休み等長期休暇で日本に一時帰国の際、日本の学校に体験入学できるという情報を目にし、息子にもぜひ、と願っていました。

そして最初に思ったのは、ろう学校での体験入学。 こっち(在住国)では特別支援学校に入れたので、普通の学校は難しいのでは、という懸念から。 また息子が通うS校は少人数制で、体験入学や学校見学を積極的に受けれいているし、生徒たちにもいろいろな経験をさせ、教師陣も難聴児教育のエクスパートなので、日本のろう学校もそうであろうな、と思ったのです。 聴覚障害の立場に合った日本語での教育を息子は受けられるし、私もぜひ知りたいと。

調べてみると、実家がある市の公立ろう特別支援学校のホームページがあり、メールで問い合わせてみたところ、副校長先生から体験入学は可能ですという丁寧なご返事が翌日にはありました。 しかし善は急げと私がメールを出したのは、学年末である3月だったので、詳細は改めてということになりました。

その後何も連絡がなく、6月に再びメールを出すと、やはり翌日にはご返事をいただきましたが、前回ご返事をくださった副校長先生は移動になっており、新しい副校長先生からで、日本へ帰国してから連絡をいただき、校長と会ってから決めさせていただくとの、ちょっと素っ気ないご返事でした。

日本への帰省は7月に入ってからで、すぐに日本の学校の夏休みも始まるだろうから、通える日数は少ない・・・と危惧。 迷ったけれど、普通の小学校でも受け入れてもらえるか、日本の家族に問い合わせを頼むと早速、実家の通学用内の学校、つまり私が通って卒業した市立の小学校に電話をしてくれました。

最初「今わかる人がいない」と言われ、時間をおいてかけなおしたら「そういうの今まで問い合わせがなかったが他校ではやっていると聞いたことがある。校長、副校長は会議中なので折り返し電話する」と言われ、後日こちらからまた電話をしたところ、校長先生が応対してくださり「いいですよ」と。 日本に着いたら直接私から電話を欲しいとのことでした。 そのとき聞いた話では、1年生に補聴器をつけている生徒がいるとのこと。 学校側は夏休みが始まる20日まで受け入れるつもりのようで、プールや給食大丈夫?と聞かれたそう。

日本に着いた当日に小学校に電話し、校長先生と翌日金曜日の午後に面会(親の私だけで息子抜き)の約束をし、私はン十年ぶりに母校の小学校の門をくぐったのでした。 既に創立100年を超えており、メインの校舎は私が使っていたときのまま(もちろん修繕やらリフォームはしているし、今は全教室エアコン!が付いていますが)、水飲み場とか、職員室とか、変わっていない!!

校長先生は、威圧的なところがまったくない、穏やかな方でした。 (でも、ちょっと抜けたとこがあり、契約書に受入日を7月19日って書いてしまったのよ、終業日は20日なのに。)

いろいろ書類とか説明とか必要なのかと思ったら、何も必要ではなく、特に説明もなく、息子の難聴とか、日本語とか、まったく気にせず、「一時受け入れに関する契約」(という用紙がきちんとありました)にサインして、来週から登校することに。

息子は本来なら2年生だけど、現地校では0年生で頭の中も1年生だから、と1年1組に入れてもらうことになりました。 そのクラスは一人補聴器をつけている生徒がいるので、教室のすべての机と椅子の脚にテニスボールがつけてあります。 担任の先生と顔合わせし、教室も案内してもらいました。

ろう学校の方にも電話で連絡し、副校長先生が丁寧に対応してくださいましたが、初等科の方は手一杯で受け入れは不可能とのこと、見学と言うことでしたら私が校内を案内いたしますとおっしゃてくださったのですが、実家の公立学校で受け入れてもらえる旨を話すと、それならその方がよいとのことでした。

こっち(在住国)では、公立の普通学校の方が、このような受け入れは面倒がってやりたがらない傾向があり、S校のような特別支援学校の方が、少人数で余裕があるから積極的なので、日本もそうだと思ったら、その反対だったので、私はびっくり。

思い描いていたのとは違う結果になったけれど、ろう学校はちょっと辺鄙なところにあり、電車とバスを乗り継いて行くのは、送り迎えに付き添う私には無理だったし、現実の結果としては本当に良かったのですが。

そして息子は1週間ちょっと(正確には7日間)、日本の学校に通うことになったのでした。 
(その内容は、続く

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