バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

2017年11月

9月から計4回にわたる自閉症の診断テストが終了し、結果を聞きに行ったのが11月7日でした。 テストを行った心理士の先生と(聴覚障がい者専門の)カウンセラーさんから説明を聞きました。

いただいたレポートによると、行ったテストは ADI-R(Autism Diagnostic Interview Revised 保護者に対する面接で行う), ADOS(Autism Diagnostic Observation Schedule),WISC-IV(ウェクスラー式知能検査)。 これらは検索すると日本語でも出て来て、日本でも発達障害診断に使われています。 それと息子の学校の先生にも電話でインタビュー。

以下、レポートに書いてあったことの要約。

病院でのテストにおいて、息子はいつも機嫌よくテストにも積極的。 アイコンタクトもそれなりに出来ているが、時折アイコンタクトなしで質問したり話したりすることがある。 ごく自然に思ったことを話しだすが、大抵自分が興味あること(例:電車)について。 他の人が何を考えているか、どう感じているか、どんな体験をしているかには興味なく、自分が話すことに関してはきちんと注目して欲しい。

ADOSテストにおいて、想像力を働かせて遊ぶことが苦手だった。 (いろいろなオモチャがあり、それを使って自由に遊ばせるのだが、息子はどうしていいのか分からなかったそう。 興味があったのは、車ぐらいで。)

ゲスチャーを使うが、圧倒的に少ない。 (でも、日本人って欧米人ほど大袈裟な身振りしないけど?と私は思ってしまった。 夫曰く、そういう文化的なことではなく根本的なことで、だそう。)

おもむろに自分が思っていることを喋り始め、話の内容は明確でなくヒントを与えないため、何を話しているのか理解することが難しく、そのような相手の様子にも気づかないでいる。 いろいろな感情を説明することも苦手。

知能テストにおいては、説明を聞いて待つことができず、すぐに始めてしまうので、やり直しを何回もすることになった。 作業はゆっくりで、早急に行わなくてはいけない場合もゆっくり。 速く行うことができないよう。 途中何度も休憩を入れてるにもかかわらず、テスト開始30分で疲れてしまう。

(ここまで読んで、正しく普段の息子の姿だ~と思うことしきり。)

知能テストの結果 --  知覚推理(平均値内だが下方)、言語理解(平均値より下)、ワーキングメモリー及び処理速度(平均値よりずっーと下)
しかし、それぞれの内容のインデックス(知覚推理・言語理解・ワーキングメモリー・処理速度といったテスト枠の中で、さらに分かれたテストがある)に大きなバラつきがあるので、診断は慎重にしなければならないし、処理速度は年齢が熟すとともに上がる可能性もある。

両親によるADI-Rによる検査では、社会的相互作用は自閉症の枠外であるが、コミュニケーションと常同行動については自閉症枠に入る。 他の人の肌に触れたがったり、裸やお尻が好きだったりというこだわりがあり、特定の音や匂いに異常に反応す過敏性がある反面、長靴の中が水浸しでも気にしない面がある。 学校の教師によるインタビューも、両親とほぼ同じ答えだった。

以上のことは難聴とは関係なく、切り離して考えるべき。 また落ち着きがないという問題点もあるが、さほど衝動的ではない。 学校等で改善を模索する。

以上。

で、軽度の自閉症と診断されました。 (レベルが3段階に分かれており、一番軽い段階。)

今後は、日本でいうと療育センターみたいなところに行くことになるようです。 今回は自閉症のテストのみでしあが、ADHDの兆候も見られるようだったら再度検査をするとのこと。

12月半ばに、息子の学校にて、心理士とカウンセラーと私たち両親と教師と行動のミーティングを持ち、今後の対策について話し合います。
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以前、現代ビジネスのウェブサイトに『淋しいのはアンタだけじゃない』の作者と編集者さんのインタビューが載っていましたが、そこで「佐村河内さんの騒動に関しては執筆終了後にお会いできた新垣隆さんのこと・・・(中略)もっともっと描けたのではないか、とも・・・。」とあり、私も読みたかったなぁと思っていました。

この人が「聞こえていないと思ったことはない」と発言したため、日本中の聴覚障がい者が無理解のどん底に突き落とされたわけで、自分の息子が佐村河内氏と同程度の感音性難聴であることが分かったとき、私だって息子のこと聞こえていないと思ったことはなかったけれど、息子は聞こえていなかったのが事実なわけで、その後日本のメディアが突然新垣氏を持ち上げはじめ、チャラチャラした新垣氏を見ると(私の場合日本のニュース記事をウェブ上で読んでいるとき偶然目に入ってくるときぐらいですが)、不愉快になったりしました。

そんな私も聞いてみたいと思っていたこと、漫画家の吉本浩二氏と編集者さんが直接新垣隆氏に伺ったインタビューが、なんと現代ビジネスのウェブサイトに掲載され、びっくりしました。 「ある漫画家が、新垣隆さんにどうしても聞いておきたかったこと あの騒動から間もなく4年」 双方とも、とても誠実に語っています。

吉本浩二氏は、聞こえる人だけど、まさに聴覚障がい者の思いを代弁しています。 新垣隆氏の言い分もよく分かります。 

結局、当事者たちもメディアも、「聴覚障害」の事実に関してはまったく視野を入れず無理解のまま騒ぎ立てただけなんですね。 佐村河内氏はキャラクターが強烈だから、余計に「聴覚障害」の部分がおもしろおかしく取り上げられ、それが「聴覚障害」全体に関する無理解や嘲りにつながっていたような・・・ 

娯楽として「聴覚障害」に対する無理解を広めていった日本のメディアに怒りはあるけれど、「聴覚障害」について、人々と交流し丁寧に救い上げて形にしてくれたのも、漫画という媒体のメディアだったんだなぁと、このインタビューを読んだ後に気がつきました。

そして私だって、自分の息子が感音性難聴でなかったら、そのまま「聴覚障害」とは接点を持たずに、気にも留めず、知らなかったときのまま、人生を過ごしていったでしょうね。

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新学年・今学期は9月に入ってすぐから、発達障害の検査での通院が続いていますが、その間に聴覚検診もありました。 9月最後の金曜日で、この日から新しい病院での検診となりました。 引っ越して管轄が替わったからで、新しい言語聴覚士さんもこの病院(しかし言語聴覚士さんからはその後呼び出しがなし)。 ちょうど夫が休みだったので、夫が連れて行きました。 (初めて顔を合わせるので、いろいろ説明したり聞いたりする分にも、夫に行ってもらえてよかった。)

この病院の耳鼻科の医師が、S校の保護者の間で評判が悪くて心配していたのですが、二人いるうちの良い方に当たったのか、とても良い医師だったとのことで安心しました。 息子の方もしっかり対応していたそう。 息子のジャーナルを見て発達障害の検査も受けていることに目をとめ、聴覚障害の方で手当(障がい者手当みたいのもの)は貰っていないが、発達障害の診断も出れば手当がおりるはずといった福祉面のアドバイスもしてくれました。

オーディオロジストも良い方だったそう。 補聴器に関していろいろ質問があり、息子も「左側の補聴器の調子が悪い」と言っていて、そのことを本人がオーディオロジストさんに説明。 調べてみたけど何も異常はなく、「もし、またおかしいと思ったら郵便で補聴器を病院に送って」と、その際に使用するようにと、普段測定で使っている補聴器を息子の聴覚に合わせ、それをくれました。

また補聴器上部の、耳に掛ける部分が(固定されているはずが)外れやすくなっていると言ったら、この掛ける部分のサイズが大人用だから息子の耳に合わないのかもと、子供サイズのものと取り換え固定してくれました。

日本に1か月いたから湿気等で不調になっていないかとの心配も、きちんとメンテナンスしてくれ異常なし。

電池が少なくなってきたので貰えないかと聞けば、自宅に郵送しますねとオーダーしてくれ、今までの不安は全て解決。

以前のオーディオロジストは、良い人だけどちょっと抜けたところもあり、私は不安も感じていたのですが、新しい方はもっと手応えありそうです。

8か月ぶりの聴覚の検査は、こちらも異常なし。 異常なしというか、今までと変わらず。 子供のうちは、特に急激な変化は少ないそうです。 聴力が落ちてくるとすると、大人になって加齢によることが多いそう。
audiogram201709


〇は右耳、×は左耳、>骨導聴力。 グラフ真ん中に横たわるバナナ型の影は言語の発音に関わる部分。 息子は高音域になるほど聞こえにくくなる感音性難聴。

『淋しいのはアンタだけじゃない1』を読んでいてちょっと不思議に思ったのは、日本では聴力の表というと音の大きさ(デシベル ㏈)だけなのでしょうか? 漫画の中ではデシベルのみ表記の表しかでてこなかったし、生まれたときから難聴の青年も「この表はよく見るけど、僕の聴力は40㏈ですが実際の聞こえは80㏈のあたりです」みたいなことを言っている場面があったので。 息子も平均値を出すと40~43dBだけど、高音域にかぎると60~80dBになってしまう。 息子が難聴と分かったとき、この表のことを頭にいれ、息子と話すようにしました。(息子が言葉や発音を正しく習得る出来るよう、聴き取りにくい発音に気を付けながら話すように。)

ところで、この病院の耳鼻科の壁に「補聴器に関する豆知識」みたいなポスターが貼ってあって、そこに「日本では聴覚障がい者の補聴器普及率が低い」とあったんですよ。

日本の聴覚障がい関連の情報をネットで調べたりすると、医師が「補聴器は役に立たない」と発言することがあるようだし。 在住国では、聴覚障がい者にとって補聴器は第一の補助器具、という位置づけなのでちょっと腑に落ちなくて。

でも、日本のサイトで補聴器と聴覚について詳しく納得いく説明をしているのが、「2つの視点を持つ人が書いている 耳・補聴器ブログ」。

以前、補聴援助システム・ロジャーの日本語での情報を探していて知ったブログであり、それ以来目を通しているのですが、ブログを運営しているのはご本人も難聴者であり、オーディオロジストであり、補聴器を販売している店長さんで、論理的、実際的、相手の立場に立って(相手の状況を理解して)ご説明されています。
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