バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

2017年09月

海外在住者向けの日本の教科書、平成29年度後期の小学校2年生用の教科書が日本大使館より届きました。 国語・下と算数・下の2冊のみです。
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息子、算数の教科書は手に取り、表紙のランドセルが遊園地になっている絵が気に入ったようで「これ(ジェットコースター)に乗りたいなぁ」などと言っている。 いや、表紙はいいから・・・ でも中身もめくって中に一通り目を通していました。 算数には興味あるようですね。 こっちでも1年生の算数の授業が始まり教科書(ドリル)を時おり家に持って帰って宿題をしています。 今やっているのは数字の5までを使った足し算、時計の読み方、お店屋さんごっこでお金の計算など。 今のところ、算数は問題ないようです。

しかし、国語の教科書には見向きもせず・・・ 
読み書きにはまったく興味ないというか、嫌がってやらない。 日本人親として焦ってきます。 そこで、噂の漢字ドリルを日本で購入いたしました!

この漢字ドリルを(日本の友人のSNSで)知ったとき、まさにうちの息子の為の漢字ドリルだ~と興奮しました。 大好きですよー、うんことかおしっことかおならとか・・・

私としては何故そんなに執着するのか理解不能ですが、多くの子供たちにとって魅力的なんでしょうね。 書店でもいまだ平積みになっていましたから。 で、与えたところ、息子も大喜び。 しかし、ただやれっと言っても飽きちゃうだろうから、1日1ページ(ひとつの漢字)をやったら、好きなゲーム(タブレットの無料アプリ)をダウンロードできるという約束と組み合わせ、モチベーションをアップ。 今のところ、意欲的に取り組んでいます。 しかし、肝心の漢字は頭の中に残っていないようなので、5ページやったらテストをやらせます。

漢字を覚えるだけでなく、例文である短いテキストを読ませるのも、音読の学習に役立っています。 短いし、全ての例文に「うんこ」が入っているので、一生懸命読んでくれます。 またこれらの例文って、普段の会話にないようなものも多いので、語彙を増やし日本語を鍛える役にも立ちます。 実際、読んでみても息子は意味が分かっていないことも多い。 なので、その意味を教え理解を深めるため、例文に合った絵を描かせることにしました。 
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ひたすら「うんこ」の絵を描く・・・

それから「うんこを流すのやめようかぁ」と、例文を実行したがるようになり、影響は計り知れないです。 このドリルの最後にも「一ぶのれい文にあるような行どうをマネせんようにな!」とあるですが、やはりマネしたがる子がいるんでしょうね・・・。

何はともあれ。息子が小学校入学というこのタイミングで、このような素晴らしい漢字ドリルを発案・発行してくださり感謝でいっぱいです。 この漢字ドリル、小学校6年生まで揃っていますが、6年になっても「うんこ」に喜々としているのでしょうか・・・ (それはそれで問題なような・・・)
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7月10日(月)晴。 息子、日本の学校に初登校。 ランドセルの代わりにバックパック、指定の黄色い帽子の代わりに(某J2リーグの)野球帽。 今日は水泳の授業があるけど見学にさせてもらったため、体操服(紺の短パンに白いシャツ)を購入。 白の上履きも同時に購入。 (これらは現地の学校でも使うつもり。) 筆箱のセットも購入。 ノートを2種100均で購入。 教科書は先生のを借用というかたちでした。

月曜なので朝礼があったけれど、息子と私は木影で待機。 7月は連日30度を超す暑さで、しかも私は息子の送り迎えをしますが、歩いていて気づいたのですが、全てコンクリートで覆われているんですよね。 それで照り返しがものすごく熱い。 でもコンクリートで覆われていない校庭や木影は涼しく気持ちいいのです。 一歩コンクリートの上に出ると、灼熱地獄。 つくづく自然の偉大さと人間が温暖化をつくりだした事実を実感しました。 この暑さが心配だったけれど、息子は元気でコンクリートの上も走り回っていました。 流れる汗には「これなんだろう?」とビックリしていたけど。 乾燥している欧州では、今までこんな大量の汗をかいたことなかった(笑)。

朝礼が終わり1年1組に合流。 (日本の小学生は小柄で、息子は本来なら2年生ということもあり、みんなより頭一つ出ていた。) ぼっーとして、人の話を聞いているのか聞いていないのか分からない息子。 ものすごく心配な私。 S校の授業は8時半から12時までだけど、ここでは8時15分から14時20分まで学校で過ごす。 S校では9時半頃に持っていった果物やサンドイッチなどを食べ、11時前には給食なのですが、ここの給食は12時20分。 お腹空かないかな~、大丈夫かな~と、不安な私。 何も感じていないような息子。

先生に「集中力がないので」と話すと、そのようですね~、と既に見て取れた様子。

昇降口まで一緒に行って、1年1組の元気で好奇心いっぱいな子供たちに囲まれます。 この子たちが、本当に良い子たちで、すぐに息子のことを受け入れると、何かと息子のことを手伝ったり世話を焼いたりしてくれ、本当に助かりました。 母親の私に対しても気さくに話しかけ、帰りには「今日は○○君、こんなだったよー」と報告してくれ。

息子は相変わらず、学校での様子は聞いても何も話してくれないので、ありがたかったのですが、その報告内容は、勝手にトイレに行ってしまっただの、トイレに何回も行ってただの、他の人が話しているのに喋っていただの、ケガをしたと訴えていただの、まぁ、ろくなことしていないのが分かりハラハラ。 しかし、担任の先生の方からは特に問題だと言われることなく、特に報告もなく、大丈夫ですよ、安全に過ごせていますよ、とのこと。

ただ初日に、息子さんは日本語分かっていますか?と先生から聞かれ、「私との会話は全て日本語ですと答えたのですが、先生もクラスメートも、息子は日本語が喋れない、分からないと思われていました。 クラスの子たちから息子は「外国語話している」と言われたんだけど、いやー、日本語話しているんですよ。 でも、子供たちには息子の日本語は日本語として認識されていなかったんですね。

息子は日本語を(現地語もなのですが)、ゆっくりのテンポで話します。 それでイントネーションもおかしくなる。 日本の子たちって、私も驚いたのですが、とても早口で話すんですね。 (子供が早口の高音で話すのは、在住国でも同じなのですが。) 話し方が息子とは全然違う。

叔母たちや妹に息子の日本語について聞いたら、きちんと分かるよ、きちんと話せているよ、どこも問題ないと言われたけれど。 妹は、息子がゆっくり話すのは母親である私がゆっくり話すようにしているから、その影響ではないか、と。

それでも息子は、学校は楽しい、おもしろいと、毎日元気に7日間登校しました。

授業内容は、国語と算数の他に、水泳の授業も1回受けることができ、「せいかつ」で近所の公園や河原に行く校外学習も2回体験。 虫のスケッチをし、先生から「絵が上手ですね」と褒められ、図工の時間も「粘土で新幹線つくってましたよ」と感心され、やはり芸術面では評価される模様。

給食は、最初のうち食べ慣れないのでおかずは残し、ご飯と牛乳しか口にしなかったようだけど、そのうちおいしいと、いろいろ食べるようになったみたい。 自分たちで教室に運んできて給仕するというスタイルは日本独特だと思うので、それも楽しかったようです。 午前中何も食べなくても、問題なかったようだし。

最後の日に、クラスメートが一人一人メッセージを書いてくれた文集をいただきました。 「ありがとう。 たのしかったね。 げんきでね。」といった内容が多い中、ひとり「おもしろいけど すこしふざけすぎだから なおしたほうがいいよ」と辛辣だが的確なコメントが! この子(もちろん女の子)すごい観察力。 自分の意見をしっかり言えるなんて、えらい。 息子の学校で実態が集約されていて、私にとっては何より嬉しいお言葉でした。 彼女、将来大物になると思う。
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海外に住んでいるが、親が日本人で日本語ができる学齢期の子供は、夏休み等長期休暇で日本に一時帰国の際、日本の学校に体験入学できるという情報を目にし、息子にもぜひ、と願っていました。

そして最初に思ったのは、ろう学校での体験入学。 こっち(在住国)では特別支援学校に入れたので、普通の学校は難しいのでは、という懸念から。 また息子が通うS校は少人数制で、体験入学や学校見学を積極的に受けれいているし、生徒たちにもいろいろな経験をさせ、教師陣も難聴児教育のエクスパートなので、日本のろう学校もそうであろうな、と思ったのです。 聴覚障害の立場に合った日本語での教育を息子は受けられるし、私もぜひ知りたいと。

調べてみると、実家がある市の公立ろう特別支援学校のホームページがあり、メールで問い合わせてみたところ、副校長先生から体験入学は可能ですという丁寧なご返事が翌日にはありました。 しかし善は急げと私がメールを出したのは、学年末である3月だったので、詳細は改めてということになりました。

その後何も連絡がなく、6月に再びメールを出すと、やはり翌日にはご返事をいただきましたが、前回ご返事をくださった副校長先生は移動になっており、新しい副校長先生からで、日本へ帰国してから連絡をいただき、校長と会ってから決めさせていただくとの、ちょっと素っ気ないご返事でした。

日本への帰省は7月に入ってからで、すぐに日本の学校の夏休みも始まるだろうから、通える日数は少ない・・・と危惧。 迷ったけれど、普通の小学校でも受け入れてもらえるか、日本の家族に問い合わせを頼むと早速、実家の通学用内の学校、つまり私が通って卒業した市立の小学校に電話をしてくれました。

最初「今わかる人がいない」と言われ、時間をおいてかけなおしたら「そういうの今まで問い合わせがなかったが他校ではやっていると聞いたことがある。校長、副校長は会議中なので折り返し電話する」と言われ、後日こちらからまた電話をしたところ、校長先生が応対してくださり「いいですよ」と。 日本に着いたら直接私から電話を欲しいとのことでした。 そのとき聞いた話では、1年生に補聴器をつけている生徒がいるとのこと。 学校側は夏休みが始まる20日まで受け入れるつもりのようで、プールや給食大丈夫?と聞かれたそう。

日本に着いた当日に小学校に電話し、校長先生と翌日金曜日の午後に面会(親の私だけで息子抜き)の約束をし、私はン十年ぶりに母校の小学校の門をくぐったのでした。 既に創立100年を超えており、メインの校舎は私が使っていたときのまま(もちろん修繕やらリフォームはしているし、今は全教室エアコン!が付いていますが)、水飲み場とか、職員室とか、変わっていない!!

校長先生は、威圧的なところがまったくない、穏やかな方でした。 (でも、ちょっと抜けたとこがあり、契約書に受入日を7月19日って書いてしまったのよ、終業日は20日なのに。)

いろいろ書類とか説明とか必要なのかと思ったら、何も必要ではなく、特に説明もなく、息子の難聴とか、日本語とか、まったく気にせず、「一時受け入れに関する契約」(という用紙がきちんとありました)にサインして、来週から登校することに。

息子は本来なら2年生だけど、現地校では0年生で頭の中も1年生だから、と1年1組に入れてもらうことになりました。 そのクラスは一人補聴器をつけている生徒がいるので、教室のすべての机と椅子の脚にテニスボールがつけてあります。 担任の先生と顔合わせし、教室も案内してもらいました。

ろう学校の方にも電話で連絡し、副校長先生が丁寧に対応してくださいましたが、初等科の方は手一杯で受け入れは不可能とのこと、見学と言うことでしたら私が校内を案内いたしますとおっしゃてくださったのですが、実家の公立学校で受け入れてもらえる旨を話すと、それならその方がよいとのことでした。

こっち(在住国)では、公立の普通学校の方が、このような受け入れは面倒がってやりたがらない傾向があり、S校のような特別支援学校の方が、少人数で余裕があるから積極的なので、日本もそうだと思ったら、その反対だったので、私はびっくり。

思い描いていたのとは違う結果になったけれど、ろう学校はちょっと辺鄙なところにあり、電車とバスを乗り継いて行くのは、送り迎えに付き添う私には無理だったし、現実の結果としては本当に良かったのですが。

そして息子は1週間ちょっと(正確には7日間)、日本の学校に通うことになったのでした。 
(その内容は、続く

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新学期、新学年の始まりって長い夏休みの後でもあり、いろいろ親がやることがあり。 9月の半ばに保護者懇談会、そのすぐ後に三者面談、先生方の研修で学校休みの日も。

そして早々に届いた病院から息子への「呼び出し状」、1枚は児童精神科から発達障害の検査(通知が届いた2週間後!)、1枚は耳鼻科の医師と聴覚測定の診察(新しい病院で9月下旬)、1枚は歯医者の定期健診だったのですが、それが以前住んでいた町の歯医者。

歯医者に連絡し、今住んでいる町の歯医者に登録と診察日の予約。 学校には病院へ行く日に学校を休むため所定の休暇届を1枚ずつ提出。 そして児童精神科には、夏休み(日本で)あったことや息子の変化などレポートにしてまとめて・・・

夫は同僚が夏休み中のため8月~9月最初の週末まで土日出勤。 しかも9月初めの土日は仕事が立て込んでいるうえ鉄道の整備で電車が運休(バスに乗り換えたり、通常より大幅に時間がかかる)ため、友人の家に泊めてもらい家には帰らないことに。 でも、この週末を乗り越えれば、夫の仕事の方も落ち着くなと思いながら過ごしていた日曜日。

夫から電話があり、「これから帰るけど、実は昨日は救急車で運ばれ病院にいた。」

5月から突然、筋肉痛でもないのに筋肉に激痛が走るようになった夫。 病院でも検査したけれど、どこも悪いところは見つからず、原因不明。 それでも症状は酷くなるばかりで、専門医に見てもらう手筈をとってもらっても、順番待ちで何か月も先になる絶望的な状況の中。 職場で一人でいたところ突然襲った激痛のため倒れ、電話は出来たので上司を呼ぶと自宅からすぐに来てくれ、状況を見てそのまま救急車を呼び、病院で半日精密検査。

内臓等は健康なので「死ぬことはありません」という診断。 しかし痛みは常にある状態。

そんな中でも火曜日、家族3人で息子の病院(児童精神科)へ。 
(痛みをおしている夫。 風邪ひいたのか鼻をすする息子。 息子の風がうつったのか、咳が止まらない私。 病気3人組。)

息子のことは、やはり夫が中心にいてくれないと、この国の常識や言語に不自由な外国人の私のみの私では不安なんですよね。

しかし始まったばかりの息子の小中学校生活(あと9年ある・・・)、今後は私も積極的に介していかないといけないですね。

と思うものの、楽しかった日本の夏の余韻で、また雨がしのつく鬱な季節の始まりで、こっちの生活にいまいち調子が出ない息子と私です。 
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