バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

2015年11月

息子の(先天性)難聴が分かったとき、難聴でもバイリンガルなのね〜と感心したのですが、同時に、難聴だからバイリンガルなのだろうか?とも思いました。

多くのバイリンガル家庭の子供達が、保育園や学校に行き始めると、そこで使われるメジャー言語に押され、家庭でのみ使われるマイナー言語を話さなくなる例を聞いていました。 (マイナー言語を聞いて理解はできるけど、話せない、話すのは苦手という。)

でも、うちの息子は、いつまで経っても現地語がぐんっと伸びることはなく、いつまで経っても私に対しては日本語のみで話します。 (それが私にとっては、不思議でした。)

それもそのはず、難聴の場合、特に保育園や学校など、子供がたくさんいて常にガヤガヤうるさい場所では、言葉を聞き取ることがとても難しい。

息子は、常に現地語にさらされる場所に毎日長時間いても、それが言葉として耳に入っていなかった!

対して日本語は、家庭のみで話されていますが、静かな落ち着いた家庭というもっとも馴染みのある場所、話者も母親というもっとも息子に近い人物、常に私と1対1なので雑音も入りません。 (息子は一人っ子で、家で私と二人きりで過ごす時間も多いです。)

そして、私は日本語を話すとき、息子の顔や反応を見ながら、ゆっくり、はっきり、明瞭に、言葉を選んで話すことを心がけていました。 それは、日本語話者が私だけなので、きちんとした日本語を伝えたいという思いから、最初からこういう話し方をしていたのです。 それが、聴覚障がい者と話す時の注意事項と重なっていたんですね。

だから、外野からの雑音(とは現地語のことですが)に惑わされることなく、日本語を保持できたのかも?と思ったのです。

私が徹底して日本語のみで息子に話していたのは、私が下手に下手な現地語で語りかけ、間違った発音や文法を学んでしまったら大変だぁと思ったから。

息子の現地語の方が勝ってきて、日本語での会話が難しくなってきたら、私も現地語で話し始めようと思っていたのですが、そんなことは未だ起こらず。 

私にとっても日本語の方がラクで、今さら現地語で息子に話すのもなんだか違和感。 しかし、補聴器をつけはじめてから、息子も現地語の方が伸びてきたので日本語危うし、かもしれません。

言語の周波数のこともあり、日本語の方が習得しやすい言語なのかも、と思ったり、他の方々からは(難聴者でモノリンガルの方々も)「やはり母親の話す言葉は強いわね」「母親と同じ言葉を話すことで絆を確認し、安心感があるのね」と言われたりしましたが、真意は分からず。

息子の方は、2言語を話すのが単に当たり前のことらしく、自然体。 私との絆や安心感とか、言葉にそれを求めているとは思えません。 (もしかして、ママは現地語が喋れないから〜と思っているのかもしれませんが、笑。)

言葉遊びは好きで、現地語を日本語に訳したり、勝手な歌詞をつくって歌ったり、両言語を自由に行き来しています。

そんな様子を見ていると、難聴は関係なく、個性なのかな〜、とも思います。

バイリンガル、バイリンガルといって、いつまでバイリンガルか分かりませんしね。

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息子は、言葉が出てきたのは遅かったです。 でも、最初から2カ国語を喋っていました。 母親の私が話す日本語と、父親が話す、住んでいる国の現地語。

最初から、日本語と現地語は区別し、私に対しては日本語、父親やその他の人に対しては現地語を徹底し、二つの言葉を混合することはありませんでした。

今でも、私と夫と息子と3人でいても、同じことを私には日本語、夫には現地語で、わざわざ言います。 本人は、意識せず、ごく自然に口にしているようです。 いや、意識が働いて2カ国語を話すようにしているのかもしれません。

一人遊びをしていても、私が側にいるときは日本語で独り言を喋り、父親が側を通りかかると、とたんに現地語に切り替え、独り言を続けるほど。

寝言も、日本語で言うとき、現地語でいうときがあります。 怖い夢を見たのか、夜中に起きて泣きながら現地語で何か言っているときも、私が「どうしたの?」と日本語で声をかけると、すぐに日本語で返してきます。

ここで日本語を話すのは、私だけです。 日本の親族とスカイプをすることもなく、現地では、息子が2〜3歳の頃に同い年の日本人の男の子(ご両親とも日本人)と遊ぶことがありましたが、帰国してしまいました。

日本語の絵本の読み聞かせはしていましたが、2歳まではDVDなどで日本の番組を見せることもありませんでした。

現地では、1歳半から保育園に入り、週5日、毎日7時間を保育園で過ごしています。

保育園は、3歳過ぎるまで、毎日泣き叫んで嫌がりましたねぇ。 全然慣れないし、他の子供達ともあまり遊ばないし。(発達障害をずぅっーと疑っていました。) 時間を短縮したり、休ませたりすることも多かったです。 他の子達と交流を持ちたがり、遊ぶようになったのは、3歳を過ぎてから。

保育園では全て現地語なので、私は息子の現地語が伸びるかと期待していました。 家庭がバイリンガル環境でも保育園や学校に行くようになると、現地語の方ばかり話すようになり、マイナー言語の方は話さなくなると、よく聞いていたので。

息子の日本語と現地語のレベルは常にほぼ同じで、どちらかというと日本語の方が流暢。  家で私と一緒にいて日本語を話すことが多いからだと思っていました。  特に現地語は、発音がいつまでたってもおかしくて、喋り方もゆっくりで間延びした感じ。 それに比べると日本語の方がそれほどヘンではありません。 

しかし、保育園に入っても、二つの言語のレベルは変わることなく同じでした。 現地語が伸びて来たと思うと、日本語がそれに追いつく、という感じ。 そして、両言語とも、一般の同年代の子供達が話すレベルよりも劣る。

バイリンガルの子は言語の習得が遅めだが3歳頃にはどちらの言語も同年代のレベルに追いつくという説ですが、うちの子はどうして?と悩みました。

ずっーと悩んで、相談していましたよ。 5歳になって、「感音性難聴」だと分かるまで。

難聴だなんて夢にも思わず、難聴に関する知識も全くなく、診断結果を聞いても訳が分からないまま。 しかし、難聴でも2カ国語の環境で育っていれば、バイリンガルになるのね〜と感心しました。

ただし、バイリンガルになるかならないかは個人差があるようなので、その点では一概にいえません。 正常の聴覚で、バイリンガル環境で育っていても、上記のようにメジャー言語に押されマイナー言語がなかなか出て来なくなってくる子供達の例を幾つか見たり聞いたりしているので。
それと、難聴だからバイリンガルを維持できたのかな?とも思ったのでした。 (それは、次の記事で。)

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先々週と先週の月曜日、息子が風邪をひいたので保育園を休ませ、熱が下がったので行かせたのですが、まだきちんと治っていなかったようで、ぶり返してしまい、今週一週間ゆっくり休ませることにしました。

普段は滅多に体調が悪くなることはなく、風邪をひいたのは、夏に(冷夏だったのに)水遊びして熱出した以来。

私は自分のことがほとんど出来なくなるし、(体調が悪いため)普段より輪をかけて駄々っ子になる息子と1対1で家にいるというのも、しんどい。

それでも、寒さが厳しくなってきたし、巷でも風邪が蔓延しているし、忙しくなる12月に休まれた方が大変なので、今のうちにきちんと治しておかないと。(この週末は、久しぶりに息子の祖父母に会いに行こうと思っていたのですが、それも延期。)

そして忙しくなるのに、半年ぶりの聴覚検査の通知が届きました。 
(本来なら、9月か10月と言われていたもの。)

11月27日に聴覚検査、12月8日には医師との検査が入っています。
その前日は、言語聴覚士さんとの面接も。。。

その後は、2週間のクリスマス休暇〜。
(これもシンドイなぁ。)

はぁ、もう年末。

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言語聴覚士さんに質問した「感音性難聴で高音域が聞こえない子にとって英語を習うのは難しいことですか?」の由来は、ふと目に入った(日本語の)英語学習に関するネット記事です。

「英語の周波数は2000〜12000hz、対して日本語の周波数は125〜1500hz」だから、日本人にとって英語の聞き取りは難しいという内容。

以前だったら何のことかさっぱり分からないhz(ヘルツ)という周波数、しかし今ではすっかり身近となった周波数。 

それが言語によって異なるとは知りませんでした。

息子は高音域が聴こえない(聴こえにくい)「感音性難聴」です。 この(下の)表で見ると、4000hz8000hz の間にある f,th,s の音が(息子のこの音域の聴覚は80dBなので)聞こえません。 補聴器をつける前は、発音もできていませんでした。(聞こえないから発音できない。)

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でも、この(下の)表を見ると、日本語にはここまで高い音域の発音はないんですね。

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だから、息子は日本語の方が現地語よりも上手に話せたのかな、と思ったのです。 そして、英語は特に周波数の高い言語だとすると、高音域が聞こえない息子には、英語がまったく聞こえない!?と疑問に思いました。 (じゃあ、英国で感音性難聴の人は、どうなるの?とも。)

そこで、言語聴覚士のC先生にお聞きしてみると、

「言語によって周波数が異なることは知っているけど、それが難聴者に影響を与えるとは聞いたことないわ。」という答えでした。

つまり、難聴者にとって、言語により聞こえやすい言語と聞こえにくい言語がある、ということはない。

難聴者にとって聞こえにくいのは、音域よりも「摩擦音」だそうです。 C先生はネットで検索して、日本語と英語の音声表記を出し、「日本語には、フとかザとか、あるのね〜」と、プリントアウトすると、摩擦音にハイライトしてくれました。

参考: 大辞林 特別ページ 日本語の音

音域よりも、ポーランド語など、シュシュという摩擦音がたくさん入った言語の方が聞き取りにくいともおっしゃっていました。

それから、私が疑問に思った(じゃあ、英国で感音性難聴の人は、どうなるの?)ですが、夫が知り合いの「アイルランドで生まれ育ち20歳で英国に移住し、今はこの第3の国に住んでいる80歳の男性」に聞いてみました。  この方、生まれたときから難聴だったそうですが、それに気付き補聴器を付け始めたのは成人してからだそう。 この男性にとって英語が聞こえにくい言語ということはありませんでした。 なぜなら英語は母国語であり、生まれる前から聞いている言葉です。 それより、外国語である今住んでいる国の言葉の方が、聞き取りにくいそうです。

それから、第3の質問「英語学習は今すぐ始めるべきですか?」の答えは、「今から英語を導入する必要はありません。 この子に今必要なのは現地語と日本語であり、この二つの言語の語順などを学ぶ方が先です。」

しかーし、実は先日、夫が「難聴児童のための特別学校」の見学に行ったのですが、そこの校長先生が「この学校では小学校1年生から英語を学び始めます。 通常は3、4年生から始めますが、難聴児にとって英語の習得が困難であることに気付いたので、早めに慣れさせることにしました」と説明していたというのです。

全体的に聞こえない難聴児の場合それほどでもないけれど、「感音性難聴」の場合、慣れない音を拾う(聞き取る)のが難しく苦労するそう。 そこで、音に慣れさせるということで、1年生から英語の歌をうたうなど、 英語に慣れ親しむための英語学習を導入しているそうです。 

英語の勉強というと、文法やスペリングなどをガンガン暗記するイメージがありますが、そうではなく、まず英語の音に慣れることが大切なんですね。 じゃないと、聞き取れないし喋れない。

学校でも英語は、国語•算数と並んで重要な科目。 やはり早期の対策が大切なようです。 (私もC先生が何と言おうが、今から英語を息子に導入しようと考えていたのですが。)

息子は英語の子供の歌が好きで2歳頃から聴いていました。 歌うのも好きで、歌おうとするけれど、歌詞はめちゃくちゃ、メロディーだけ。 今までは、そのままにしていたけれど、これから英語もきちんと発音できるよう正していこうと思います。 (導入するといっても、その程度かな。)
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11月5日(木)、言語聴覚士さんに連れて行きました。
(ここのとこ鼻をグズグズいわせていた息子、この日の午後から熱が出始めたので、金曜も保育園を休ませ、念のため月曜も休ませ、5連休になってしまいました。 大した熱じゃないので昼間は元気だし、でも夜になると熱が上がって何度も起きるしで、親がグッタリ。)

いつもの如く、ボードゲームです。 今回は400枚の質問カードがあるゲーム。 カードの質問(絵と共に「この色は何色でしょう?」「仲間はずれはどれでしょう?」「ここにあるりんごから二つとったら、いくつ残るでしょう?」といったことが書いてある)に答えるだけのことです。

相変わらず、途中でやる気をなくしていく息子と私(笑)。  切りが良いところで切り上げ、このゲームは借りて行くことにしましたが、カードが薄いのでパウチしなくてはいけないので、郵送しますと、C先生。 

後日、丁寧に1枚1枚パウチし、A4の封筒に平に収まるよう、カードは均等に8等分され、しかも一つ一つの山札がサランラップでぐるぐるに巻かれ、厚紙に並べられ、2枚の厚紙で挟まれた状態で、その厚紙もサランラップでぐるぐるに巻かれた状態で届きました。 サランラップをほどくのに時間がかかりました。。。 C先生、マメな方なんでしょうかね。

この日、さっさとゲームを切り上げたかったのは、私に疑問質問があったからでもあります。 

質問1  難聴児にとって外国語を習うのは難しいことですか?
質問2 息子のように「感音性難聴」で高音域が聞こえない子にとって、英語を習うのは難しいことですか?
 質問3 英語学習は今すぐ始めるべきですか?

C先生の答えは、質問1に関しては「そんなことはありません」でした。

質問2と3に関しては、次回に書きますね。

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レクチャーで『聴覚障害者と話すときの9つのアドバイス』という、パンフレットを貰いました。 イラストと共に簡単なアドバイス(注意する点)が書かれています。

 

相手の注意を引きましょう。 聴覚障害者は、聞くとともに話者を見ている必要があります。
(息子の後ろの方から、突然「だから、この前ママが言ったでしょ」などと話しかけても、本人は自分に話しかけられているとは気付かないんですよね。)
 

相手の目を見ながら(アイコンタクト)直接話しましょう。
(きちんと息子の前に行き、目を見て、直接話しかけないといけません。)
 

明瞭にはっきり話しましょう。 早口で話さないこと。 必要なら何度か同じことを言いましょう。
(怒っていると「ちょと、分かってんの!?分かってんの!?分かったの!?」と早口で、必要のないことを繰り返す私です。。。)
 

普通のヴォリュームで話しましょう。 大きな声を出す必要はありません。 耳の側で、また補聴器に向って、決して大声を出してはいけません。
(補聴器は、聞こえにくい音を大きくする機能があります。 息子は高音域が聞こえないので、高い音を拾うよう補聴器は調節されています。 側で幼児がキャーキャー叫んでいたら「ボクの耳が痛いから止めて!」と言っていたことがあるので、私も気をつけなければ。)

不必要な騒音を控えましょう。 ラジオやテレビのヴォリュームを下げ、静かな落ち着いた環境で話すようにしましょう。
(音楽を流しながらの会話は難しいんですね。 騒音が溢れているお店やカフェも聞こえにくいと言います。)
 

新聞や本などに隠れながら話すのはやめましょう。 口に手を当てて話したり、ものが口に入ったまま喋るのはやめましょう。
(「食べながら話さない!」とは、子供によく言いますが。 私も朝食やおやつの時など、何か食べながら手元にある新聞等を読みながら、息子に話しかけていますね。。。)
 

暗いところでは話者の顔に光が当たるようにしましょう。 聴覚障害者にとって話者の唇の動きが見えるようにしましょう。
(読唇術
は特に必要ないと聞きましたが、やはり唇の動きは理解の助けになるのかな?)
 

数人で話しながら笑ったり微笑んだりするときは、聴覚障害者になぜ笑っているのか理由を説明しましょう。
(不愉快や疎外感を生まない配慮も必要ですね。)
 

数人で話す時は、何について話しているのか、聴覚障害者に伝えながら話すようにしましょう。
(会話に
ついていけるように。)


以上、健聴者側の配慮です。 慣れない外国語でも、同じ配慮が必要かもと、海外で暮らしているので思ったりします。

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