バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

2015年06月

息子が補聴器を着け始め2ヶ月になりましたが、先週末に伯父(夫の兄)、その前週は祖父母(夫の両親)の家に遊びに行ったところ、双方とも「ずいぶんたくさん喋るようになった」と変化に驚いていました。

祖父母のところには私と行ったのですが、言われてみれば確かに、一人であれこれ喋り続けているんですよね。 でも、まだ会話にはなっておらず、「ただ喋っているだけ」に近い。。。

祖父母のところには、夫が子供の頃おばあちゃんから貰った古いプラスチックの汽車のおもちゃがあり、息子は赤ちゃんの頃からそれで遊んでいましたが、今また、そのおもちゃに興味を持っているのです。 なぜなら、動く時にトゥフトゥフと音がするから! 今までは走っているのを見て遊んでいたのに、今は走らせないで動かし音を聞いているのです! 音が聞こえていなかったんですね。

伯父のところにはいつもパパと行くのですが、行っても大抵そこにあるおもちゃで遊んでいるだけなのに、今回は普段とは違う音がすると、なんだろうと見に行ったりしていたそう。 例えば、隣の家で芝刈りを始めた音など、今までは気にしたこともなかったけれど、今回は反応していたそう。 あと、以前は話しかけられても無視していたのを、話しかければきちんと反応。

本当に、今までは、聞こえていなかったんだなぁ。 補聴器を着けると、聞こえるんだなぁ、 5年半も、音が半分しかない世界にいたなんて、、、

それを思うと、不憫ですよね。 発見が遅れた責任は全て、保健所的な施設の息子の担当者にあるのですが。 何度も何度も、息子の言葉の発達や行動様式に関して相談したのに、「この子は普通だ、どこもおかしくない、成長の度合いは個人差があるから」としか言わず、聴覚障害の可能性など疑いもせず、おざなりに息子の検診をしていた。

息子の為には今後のことを考えるべきだし、今言ってもしょうがない。

補聴器の装着については、ここのとこ、嫌がるというわけではないのですが、「カシャカシャする」「ザーザー音がする」と心地悪いらしく、取ってしまうことがしばしばあります。

既に、耳の中に挿入するイヤーモルドの部分が合わなくなっているのかしら? 体の成長と共に耳も大きくなるので、子供の場合8ヶ月ごとに作り替えなくちゃいけないんだけど、2ヶ月でもう合わない? 次回の検診は夏以降なので、ちょっと困ったな。
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2週間後の6月22日に、夫と二人で息子の言語テストの結果を聞きに行きました。 息子の聴覚関連は、なるべく二人で出向くようにしています。 

テストの結果は、かなり枚数があり、細かく書かれています。

まずは、今ではおなじみになった聴覚の表。 真ん中に横たわっている「バナナ」のような形をした色の濃い部分が、言語の音が聞き取れる範囲となります。 

 

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それを息子のオージオグラム(聴覚測定)と比べると、真ん中あたりから聞こえてないことになり、息子は飛ばしてしまう音が多い。

やはり聞こえていないので、きちんと発音ができていません。

それと、息子は文法的にかなりの問題があります。 例えば、ネコとネズミがいる絵を見せて、先生が ”There is a mouse and…” と言えば息子は ”a cat”と言わなければならないところ、ただ単に ”cat” とだけ言い、冠詞を抜かしていました。

現地語にも英語と同じように単語には冠詞がつき複数形があり、またそれらが英語より複雑に変化するのですが、理解できていない。

難聴で聞こえが悪いと、人が話す文章を聞いていても重要な単語だけを拾い、内容は理解できていても、文法的なルール分かっていないことが多いそう 。 単語の前や語尾につく細かな変化は特に聞こえにくく、また意味は分かるので、気にしないんですね。 通常に聞こえる子たちは、言葉を覚えるうえで自然と文法も習得していくのに、難聴児はできない場合が多い。

でも、冠詞や単数•複数形の変化は、外国人である私にとっても難しく、間違えたり飛ばしたりするので、分かるなぁ(笑)。

M先生が私に「日本語ではどう?」と聞いたので、日本語には冠詞や単数•複数形はないのだが、数を数えるとき、棒なら1本、お皿なら1枚というように対象により数え方が違ってくる。 しかし息子はそれが理解できず、めちゃくちゃに使うと説明しました。

例えば「猫が2本いるよ」「今日はエリックが二つともいた」というように。エリックという同じ名前の子がクラスに二人いるのですが、「二人」って言えず、2本とか二つと言ったりします。

「ある、いる」「あげる、もらう」の使い方も、よく間違えてる。 やはり文法的な問題は、日本語でも現れています。

あと現地語も日本語も、過去形ができていないですね。 

しかし、このような文法は、私も現地語を喋っているとめちゃくちゃになってくるので、私も問題ありです(笑)。 息子もまだ言語を習得している途中。 私が外国語を習う時と同じ間違いをし、同じ苦労をしているのかもしれません。 

話したいことがいろいろあり、焦って喋ると吃ったり不明瞭になったりするのも、私と同じ(苦笑)。

さて、テスト結果(問題と対策)が出たとこで、息子担当の言語聴覚士を誰にするかとの話しとなりました。

M先生の方で、病院に所属する言語聴覚士を紹介することもできるが、支援機関のSさんとMさんの方で、既に一人の言語聴覚士を息子の担当にと準備している。 その人だったら都合が付き次第すぐに始められるが、こっちで今から紹介するとなると、順番待ちとなるので、ちょっと時間がかかるかも、とのこと。

私たちは、誰が良いとかまったく分からないので、いま進められている方に任すことにし、M先生がその方にテスト結果を送付することになりました。 

それからM先生は「経過途中の検査は、また私が受け持ちましょう。 一度私が担当しているので、私がテストをした方がいいわね」と言ってくださり、1年後の小学校入学までに年齢に見合う言語能力を身につけさせたいという要望を「目標を設定するのは良いこと。 私もいつも、そうしているの。 その目標をクリアできるようにしましょう」と前向きに語ってくれました。

夫はM先生のことを、丁寧に説明してくれ分かりやすかったと言い、私は「言語聴覚士という職業からかな」と思いました。 さらに夫は「ここで今まで会った人たちは良い人たちばかり、最終診断をしたあの医師を抜かして。」その医者に、私は会わなかったのですが、かなり厳しいもの言いをする人で、泣き叫び手を付けられない息子に対しても容赦なかったので、根に持っているよう。 その医者には、今後会うことがあるのかな?

今度は息子担当の言語聴覚士さんという、また新しい出会いがありますが、夏が終わってからになりそうです。

(余談:この日は久しぶりに夫と二人だけでの外出で、丁度お昼時だったので評判のレストランで食事でもしようかと思ったのですが、生憎の天気で土砂降りで夫は風邪気味。 さっさと帰ることにしましたが、その後夫は風邪を拗らせ数日仕事を休むことに。)
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L先生から紹介を受けた言語聴覚士から、すぐに受診日案内の手紙が届き、6月5日(金)に来てくださいとのこと。 場所は、聴覚測定と同じ病棟。 

ここは大規模な国営大学病院で、受付は耳鼻咽喉科でするのですが、聴覚関連は別の建物の Hearing and Speaking 科に行きます。 ここでは、Audiology (聴覚学)の先生(L先生ですね)、エンジニア(補聴器関連かな)、言語聴覚士、医師(一度しかお会いしたこのない最終診断した先生)といった4つのスペシャリストによるチームにより難聴の人たちの治療にあたっているようです。

今回は私が一人で息子を連れて行きました。 初めてお会いする言語聴覚士のM先生は、中年の闊達で若々しい女性。 (今のところ、ここでは女性の先生にしかお会いしていません。)

まず最初は、私も含めた3人でカードゲーム。 (これはテストには直接関係ないようだったが、リラックスし親近感を深めるため?)

それから先生が息子に対してテストを始めました。 発音及び文法理解についても診るとのこと。

1ページに4つの似たようで微妙に異なるイラストがあり、先生の説明に当てはまる絵を息子は指差していきます。 「男の子は、犬よりも早くは知っています」「箱の中に黄色いボールが入っています」というような文章で、名詞、動詞、形容詞、前置詞が理解できているか判断するようです。

だんだんと説明文も難しく複雑になってきて、「おばさんは象の後ろにいるだけでなく、象を手で押しています」というような、英語でいうなら not only but also といった複雑な構文になると、横で見て聞いている私の方が「え、ええーと、どれだ?」と戸惑ってきます(笑)。 息子の方も、間違った絵を指す回数が多くなってきます。

分厚い本が一冊終わり、もう一冊。 今度のテストは、1ページにひとつの絵があり、その絵の状況を息子が説明するというもの。 例えば、海で子供達が遊んで砂浜では女の人が屋台でアイスクリームを買っている絵。 先生が「海辺でトムとジェリーが遊んでいるね。 リンダは、、、 何しているの?」と聞けば、息子は「アイスクリームを買っている」と答えるべきなのですが、「アイスクリームをあげる」と言っていました。。。 まさに、このような文を言うことができないんですよ、息子は。

サルが風船を膨らませている絵は「ボールが顔にバンバン」とか言っているし。

確かに、こういうテストの絵って、何故かヘタクソ的なイラストが多いし、顔に風船をあて目を固くつむっているサルの顔を見て、「ボールが顔にぶつかって痛がっている」ように見えなくもないのですが。 でも、言葉できちんと説明できず、擬音を使ってすませる傾向も息子にはありますね。

間違っていた場合、先生が正しい言い方をします。 全てのテストが終了した後、もう一度間違っていたページに戻り、同じことを聞き、今度は息子が正しく言えるかも確認。 (やはり同じ間違いをしていました。)

二つのテストが終わり、先生は息子を部屋にあるおもちゃで遊ばせて、今度は私に質問。 息子の状況等を話し合い、もう1回テストをするとのことで次の日程を決めました。

で、2回目のテストは夫が可能の日にちで、すぐに週明けの月曜日6月8日となり、今度は夫が連れて行きました。

今度は単語のテストを主にしたそう。 息子、語彙はけっこう持っていて、8歳児並みのボキャブラリーがあるそう。 やはり4択のテストで、だんだん難しくなっていくため、最後の方は、息子は当てずっぽう指差していたけど、それが全部まぐれ当たりだったそうですが。

発音の方は、側で聞いていた夫が頭を抱えたくなることが多かったとか。

この2回に渡るテストの結果を見て、今後どのような言語療法を息子にしていくか話し合うため、2週間後に親だけで再度訪問となりました。

M先生は、ボキャブラリーは多いし、今から補聴器を付けての言語訓練をしていけば、1年後の小学校入学時には言語面の問題ないでしょうとポジティヴな見解とのことでした。
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サポートチームとの初面談の前の週の木曜日(5月21日)は、補聴器を装着し始めてから最初の検査(聴力測定)でした。

聴覚関連で病院や支援機関のある町まで行くことが多くなり、その都度保育園を休ませ親が付き添っていくので大変ですね。 でも原因が分かって、全てが息子のためになることなんですから、苦ではありません。

この日の検査はL先生と、補聴器を装着しての聴力測定。 新しくできたばかりのオーディオルームで。 (いつも病院に来ると工事の音がするなぁと思っていたら、あちこち改装中らしい。) 息子は既にL先生に懐いて(けっこう誰とでも親しくしちゃう性格)、片方の手をパパと握り、もうひとつの手は、ママじゃなくてさっさとL先生の手を握っている。 (病院の中は迷路なので、ママより先生の手を握る方が安全ですが。 そういえば、最初にL先生に会ったとき、 いきなり抱きついて胸の部分触っていたと夫が言っていましたが、、、 L先生は若い女性。)

今までの検査は、息子がヘッドフォンを着けていましたが、今回は私たちにも測定の音が聞こえます。 ピーというような音が聞こえれば、息子は手元にある積み木を重ねていきます。 (その音は先生がパソコンを操作して出すのですが、前回は音を聞くんじゃなくて、先生の手元を見て判断していた息子。。。)

ときどき、音が鳴っているのに無反応である息子に、やはりぎょっとします。

補聴器をしていると、全ての音は、問題ない範囲で聞こえているようです。 左耳の聴力の方が低いので、補聴器の調節をしてくれました。

しかし、その夜はずした時に気づいたのですが、左耳と右耳の補聴器が逆に装着してありました。 (補聴器には、右は赤、左は青の印がついています。) ときどきL先生ぬけたとこがあるんだけど、大丈夫かなぁ、、、

 前回4月の検査のとき、L先生の白衣のお腹がほんのり膨らんでいたので、帰ってから夫に、すぐに産休に入っちゃうかもねーと言ったら、全然気づかなかった夫はびっくり。 でも、今回は夫にも分かったし、本人も「次回の検査は9月か10月になりますが、私は育児休暇中なので代わりに同僚が診ます。 でも、その後は私も復帰しますので」とおっしゃっていました。

この国では、育児休暇は一人の子につき1年半ほど国から支給されますが、両親が半々取得することが奨励されています。 そうはいっても母親の方が長めに、または全期間取得する方が多いみたいですが。 L先生のところは公平に分けて取るのかな。

(企業や個人任せではなく、国の制度で、0歳児を保育園に預ける必要を出さない。 日本も、そうなって欲しい。)

前回、補聴器を貰ったとき、先生から補聴器後の日記をつけ気づいたことを記しておくといいと言われたので、私がコツコツ(日本語で)書いていた日記を(夫が現地語で)読み上げ、息子の聴覚から言語能力、問題について話し、補聴器については既に慣れ毎日装着しているので素晴らしい、言語能力の問題については、すぐに言語聴覚士を紹介するからと言われ、終了。
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息子のアドバイザーSさんからは後日、面談内容の詳細(記録)が郵送されてきました。 こんなことしてもらったのは、初めて! 息子や私たち親にとっても強力なサポーターであり理解者を得ることができ、本当に文字どおり涙が出るほど嬉しかったです。

記録の内容を以下に訳しておきます。

 第一回目の面談

(息子の名前)

日付

出席者の名前

 現在の状況
補聴器を着け始め4週間、1日中装着している。 保育園には元気に通っており、補聴器を着けていることに何の問題もない。

両親には、息子の感音性難聴に関する情報は伝わっており、一緒に息子のオーディオグラム(聴覚測定表)を見て、どの音が聞こえにくいかを説明する。

息子は、これらの子音を含む単語や文章をきちんと発音でkないが、言っている意味は理解できる。

両親は、息子は聞いていることは理解しているが、自分で言うことが出来ないという。 息子は上手く話したり説明できなかったりすると、話すのをやめ無視したり、突然別のことを話し始めたりする。

また、今日あった出来事を思い出して話すことも困難。

息子はアスペルガー症候群の疑いをもたれていた。 しかし、補聴器を装着し始めてから、それらの疑いをもたらせていた行動や言動は減ってきたので、父親は難聴のせいだったのではないかと言っている。

障害への補助金申請についての説明。

今後の計画
保育園への聴覚障害児ケアについての説明。 これはpedagougueMが直接保育園と連絡を取り行う。

息子の難聴に関しての面談を続ける。 コミュニケーションを円滑にするための攻略や言語発達の促進についてなど。 次回は8月の予定。

言語聴覚療法は緊急の課題。 Mが言語聴覚士と連絡を取る。

補助申請に必要な医師の診断書を送る。

以上。

補助金が申請できるとは知らなかったので、このような指導も含まれていてありがたかったです。 保育園にも出向いてくださるとのこと。

でも、6月〜8月半ばは夏休みシーズンに突入なので、全ては新学期が始まってからの2ヶ月後となるようです。
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病院で3回目の聴覚検査(3月末)をしたとき、この3回目で感音性難聴であり補聴器の装着という診断が下されたのですが、今後について、聴覚障害児童のための支援組織があるので、今後はそこともコンタクトを取るようになると言われました。

最初、夫はそんなの面倒だと思っていたんですよね。 補聴器を着ければ、それでいいんじゃないかと。 聴覚障害を持つ子の親の会とか、難聴児たちとの交流とか、無意味じゃないかと。

でも、私は、いろいろ調べているうちに、感音性難聴は補聴器を着ければそれでよしというものではなく、また聞こえ方に個人差があり、息子がどのように聞こえるのか親の私たちはまったく分からないと知るようになり、息子の難聴を理解し、的確なサポートを与えるには、最初は全ての支援を受けるべきじゃないか、と夫に言いました。

サポート機関からは、数日後に4月下旬に息子を含めた面談をすると文書で連絡があったのですが、夫の都合がつかず日程変更のため電話をしたら、その担当者の対応がとても親切でポジティヴで良かったと夫は嬉しそうに話してくれました。

なんと、その方も感音性難聴で補聴器を着けているとのこと。 サポート機関は検査に訪れる病院とは別機関であり、場所や建物が分かりにくいので、もし見つからなかったら電話して、外に探しに行くから、と言ってくれたことに、夫は既に相手に対して信頼の念を抱いていたほど。 初面談は1ヶ月後の5月25日となりました。

この難聴児のための支援は公的機関あり、全て無料であり、難聴児一人に対し、アドバイザーとpedagougue(教育者)と呼ばれる二人がチームとなり、日常の生活面から学校のことまで、子供が18歳になるまでサポートしてくれるそうです。 

当日お会いした、息子の担当となってくださるアドバイサーのSさんは、若くて元気はつらつとした方。 教育者のM先生は中年のベテランという存在感のある方。 お二人とも補聴器を着けていらっしゃいます。 そして、気さくで話しやすい方々。 息子もすぐにお二人に打ち解けました。 (まぁ、人見知りなく誰とでも仲良くなる子ですが。)

二人ともコンビを組んでそれなりの年月が経っているようで、お互い信頼し合い、それぞれの役割をあうんの呼吸でこなしているよう。 私たちの話しを聞きながら、息子に何が必要か、今後の対策などを二人で話し合い、私たちと話し合い、決めていきます。 お二人のスケジュール帖は数ヶ月先までびっしり埋まり、あちこちに飛び回って忙しそう。

支援機関はここ1カ所だけだけど、難聴児はあちこちに住んでいるので、広範囲をカバーしているようです。 (私たちは隣町に住んでいるのでバスや電車でここまで来ますが、遠くに住む家族のもとには出向いて行くよう。)

この日は1時間半程の面談で終了。 とても有意義で、私はようやく息子のことを理解しサポートしてくれる人たちに出会えたという気持ちでいっぱいでした。

今まで、息子は何かがおかしいと思い続けて、しかし誰も理解してくれなくて、ようやく、ようやく原因である難聴が見つかり、そして全面的に支援してくれる人たちが現れたのですから。

また、この国に来て、公共機関でこれほど積極的に有意義に仕事をしている人たちに会ったのは初めてかも(笑)。

面談の内容は、また次の記事に。
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息子が補聴器を着け保育園に行き始めたときは、何よりも心配でした、他の保育園児(クラスメートたち)の反応が。 やんちゃな子は「なんだ、これ」と耳から外すかもしれない。 「貸せ」と取り上げるかもしれない。 「へんなの」と言って笑うかもしれない。 そして息子が辛い思いをし、泣いて、補聴器をしたがらないかもしれない。

しかし、全て杞憂でした。

クラスメートたちは、ほぼ無関心。 一人おしゃまな女の子が自分も着けてみたいと言ってきたけど、息子は「これは僕のだからダメだよ」ときちんと断って、相手も利発な子なので、素直に納得。

息子も補聴器を着けていることに何の抵抗もなく自然体なので、他の子たちも特に気にせず、そういうものかと受け入れたようです。

補聴器を着け始めて数日後に「今日はしない」と言って着けて行かなかった日があったのですが、すると皆が「あれ、補聴器どうしたの?」と聞いてきたとか。 すでに、息子が補聴器を着けているのが当たり前になっているんですね。

息子も補聴器を付けないと聞こえないことが分かったので、着けずに行ったのはその日だけ。 息子のクラスは、3〜5歳児が20人ほど集まったクラスです。 

3、4歳児の方が多いし、その年齢の小さい子たちは、まだ自分が中心の遊びの世界にいるので、「自分と違う(子)」というのを意識しないのかもしれません。 ありのままを受け入れているようです。

実際、息子のクラスは、現地の白人系の子は半数(或いは1/3)ぐらいで、肌の色や話す言葉も千差万別。 ヨーロッパ系、アフリカ系、アラブ系、アジア系、南米系、そしてうちの子も含めてですが、それらのミックス(ハーフ)系。  先生方や保護者たちなど周りの大人も然り。

以前いた保育園も同じで、また知的障害のある子、先天性で片方の指が3本しかない子もいましたが、誰も気にせず、普通に一緒に遊んでいました。 差別をしない子供達に、ほっとします。 

でも、差別の芽って、いつ出てくるんでしょうね。 補聴器をしていることが、差別やイジメの対象になるんじゃないかと、やはり心配です。
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補聴器を装着し始めた第一目、朝、台所の戸棚をキィーと開けたら、息子が「ここ音がするよぉ」とおかしそうに笑っているので、目を剥いた私。

台所の戸棚の扉は、息子が小さい時ぶる下がって遊んでいたので、蝶番がおかしくなり、開け閉めするときキィーキィー音がするのです。

そのキィーキィーする音、今まで聞こえていなかったんだ! 初めて聞いた音なんだ! 今まで、ずぅーとキィーキィー鳴っていたのに。

コーンフレークを取り出しボールに盛ると、袋やコーンフレークがカサカサ立てる音に「これも音がする」と笑っている息子。

これも、今まで聞こえていなかったんだ!

高周波にあげられる音に、木の葉がカサカサする音、鳥のさえずりがあります。

夫の祖母が歳を取り耳が遠くなったとき、「最近、あの鳥は鳴かないねぇ」「何言っているの、おばあちゃん? 今鳴いているよ!」ということがあったとか。 歳を取って耳が悪くなる場合も感音性であることが多く、鳥のさえずりが聞こえなくなるらしいです。

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息子は、今まで鳥の鳴き声を聞いたことがなかったんですね。 コオロギなどの虫が鳴く音も聞こえないそうです。

電子レンジのまわる音、炊飯器が奏でる音などの電子音にも反応。 ホットケーキを作るのに泡立て器をカシャカシャしていたら、それもうるさいと。 ジャムの瓶とスプーンがカチャカチャ音を立てていたらびっくり。 特に台所はうるさいようです。

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息子は、言葉が遅めだったけれど異常に遅いというわけではなく、喋り方や発音がちょっとおかしいけれど吃音というわけでもない。 名前を呼ばれれば振り返り、受け答えはきちんとするし、長い会話は噛み合ないけれど、それはまだ子供だからと思っていて、まさか耳が聞こえていないとは思いませんでした。

私たち親にしても、難聴には音そのものが聞こえにくい「伝音性難聴」と、耳の中の神経に異常があり高音(低音)といった音が聞こえない「感音性難聴」という種類があるとは、まったく知りませんでした。

うちの息子は、「感音性難聴」で、高周波の音がほとんど聞こえていない。

と、聴力検査をして分かったのです。

高周波が聞こえないとは、どういうことか。

これは英語やヨーロッパ言語での例えなのですが、fsth、といった子音が聞こえない。 kt、も聞こえにくい。

それを知って、納得。 うちの息子に当てはまっています。 うちの息子は、の発音ができない。 

London bridge falling down 〜 my fair lady♪ と歌うとき、「フォーリンダウン」が「コーリンダウン」になっているのです。 「フォーリンダウンだよ」とフォーを強めて教えると、フォーリンダウンと言えたりしますが、また歌っているとコーリンダウンになっている。 もちろん、my fair lady の部分もめちゃくちゃ。 

これって、f などの発音が聞こえてないからなんですね。

High Five! も「ハンパーイ」みたいな発音になっている。 最初、「バンザーイ」と言いたいのか?と思っていました。 その他の、の発音、全然できません。 でも、正せばその場は言えるのですが。

母音は、比較的聞くのに問題ないとのこと。 

そのためか、日本語は現地語ほど、発音がおかしくありません。 なので、日本語の方がよくできる、と言われてしまうほど。 でも、私からすると、息子の日本語の発音や喋り方は、やはり、おかしい。 どこか音が漏れるような、明瞭さがない。 

息子の場合、一部の音が聞こえていないので、発音がおかしく、話しの内容も理解できていないと分かったのですが、「感音性難聴」の知識がないと、まったく理解できないことでした。

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息子の聴覚は、横線が真ん中あたりでガクッと下がります。 上の図の右側の音は、ほとんど聞こえていない状態。
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5歳児に補聴器を装着なんて、最初は絶対嫌がるだろう、激しく抵抗されるだろうと覚悟していました。

補聴器の先生は、「朝起きて着替える時に着ける、お風呂に入る時はずし、出たらば着け、夜パジャマに着替えるときにはずして寝る。 こう習慣づければ簡単でしょ」と説明してくださったが、夫は、そんな簡単にいくものかと思っていたし、夫の両親や伯父さんも、5歳児に補聴器なんて嫌がってすぐはずすだろうと気の毒がっていたし。

常に耳の後ろに補聴器がぶらさがり、耳の中には型がはまっている状態なんですから、私だって(自分がすると)考えただけで憂鬱になります。

ところが、息子は何の抵抗もなく、すぐさま補聴器を着けて、そのまま。 装着していても何の違和感もないようなのです。

最初の1週間は、親も保育園の先生も心配して、息子の様子を見ながら着けたりはずしたりしていたのですが、4日後には1日中つけっぱなしで、 その後も、今1ヶ月経ちましたが、何の問題もなく1日中装着しています。

それこそ、服を着たときに着け、脱いだ時に取るのが当たり前の生活。

また、補聴器を着けていると異常に疲れるともいいます。 実際、子供の補聴器の作動を確認するため器具があり、私も補聴器を着けるとどういう風に聴こえるのか興味があったので確認してみたところ、、、

音が大きく聴こえるというより、ザーザーいうノイズがひっきりなしに耳を直撃、聴こえる音もひずみの方が大きく、1分も試していなかったのに耳鳴りが聴こえ、その夜はなかなか寝付けなくなったほど。

補聴器って、スピーカーを耳にぶる下げているのと同じことなんですよね。 とてもじゃないけど耐えられません。 こんなものを常に装着しなくてはならないなんて、と息子が不憫になりました。 が、

当事者の息子は、なぁーんとも感じていないようです。 

補聴器の医師も「補聴器には相性があって、負担に感じる人と、何とも感じない人がいるから」とおっしゃっていましたが、幸い息子は、補聴器を負担に感じない体質のようです。

特別事項に「補聴器を着けていると異常に疲れやすくなるので特別に休ませる必要があります」とあったのを、夫はすかさず、「パパとママが?」と切り返していましたが、これは補聴器を着けた子供が疲れやすく学校などを休ませる際、親も仕事を休んで付き添う必要があるということを指しているのですが、うちの子は元気過ぎて一緒にいる親が疲れてしまう。

この特別事項を目にしたとき「(息子よ、)ちょっとは疲れてくれよー!」と思いました。 補聴器を着けても、体調はまったく変わらず、異常に元気です。

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