バイリンガルで聴覚障害と発達障害

5歳で感音性難聴が分かったバイリンガルハーフの息子、難聴学校に入学。 その後、発達障害(自閉症)の診断も出ました。 親としての備忘録、息子の成長の記録、欧州で暮らしているので日本とは言語も環境も異なりますが情報共有としてブログを始めました。

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金曜日に息子のログブック(その1週間に学校でしたことが書いてある)を見ると、「N君がミュージックCDを持ってきました。 ”時計の音がボーンボーンボーン”という歌が一番面白く、みんなで踊りました。 その翌日、今度は○○(息子の名前)がロックミュージックのCDを持ってきました。」と書いてありました。
 
そのロックミュージックのCDって・・・ これです。
Edward the Great
Iron Maiden
Sony
2002-11-26

月曜に息子が、N君がCDを持ってきて皆で聴いたと言っていました。 どんなCD?なんの歌?と聞くと、「赤ちゃんの歌だった」。 そして翌朝、ボクもCD持っていこう~と選んだのは、いつも聴いていてお気に入りの、アイアン・メイデン(イギリスのヘヴィーメタル・バンド)。
 
私も夫も、ハードロックやヘヴィーメタルは好きで、CDもいろいろ持っています。 でも今までは、息子には子供向けの歌やクラッシックを聴かせていました。 そろそろ、こーゆーのも聴くかなぁと、1,2か月前から一緒に聴くようになったんですね。 そしたら、息子も気に入ったようでガンガン聴いて踊ってる。
 
でも学校に持っていったら・・・みんな怖がるだろう! (このジャケットだし。)
偉大なるエディ~グレイテスト・ヒッツ
アイアン・メイデン
EMIミュージック・ジャパン
2006-09-06





先週末、自治体が運営する小中学生向けのカルチャースクール(いろいろな楽器、ダンス、イラスト等を格安で習うことができる)でオープンスクールがあり、息子は夫と参加しました。 その日は、それぞれのコースを無料体験することができたのです。
 
いろいろ楽器を試した息子。 (本当はダンスが本命だったけど、時間の都合がやっていなかった。) サクソフォンを吹いたら、けっこう上手く(といっても、音を出すことができたという状態)、講師から年齢を聞かれ、7歳だと答えると驚かれたよう。 7歳だと、まだ指が短いから楽器を持つこと自体できないのに、と。 そういえば、息子は赤ちゃんの頃から、この子は指が長いと驚かれていたなぁ。
 
次にギター。 クラッシックギターは軽いので子供でも扱えるし、ギターの基本となるので初めてのギターにはお勧めだそう。 いろいろな種類のギターを試すことができたのですが、息子が興味を持ったのは、もちろん、エレキギター。 「あれがいい!」と意気込んでいたものの、講師が「これは重いよ」と言う通り、肩にかけてもらったら、立っているのも困難な状態。

講師から、どんな曲が好きなの?聴かれ、「ロック!」と答えていた息子。 気分はアイアン・メイデン。
 
それからドラムスにも挑戦したかったけど、まだ足が届かず。 ベースを弾いて指を痛くしたものの、いろいろな楽器に触ることができたのは、とても面白かったよう。

夫が講師に、息子が難聴であること、発達障害の気があって注意力散漫なことを話すと、楽器を習うのに難聴であることは大した問題ではなく、楽器のコースの場合、教師と生徒は1対1か1対2なで、対応できるとのこと。 それより問題は、人の話を聞くことができない、コミュニケーションに支障がある点。 

息子は嬉しそうにギターを持っていても、あっち向いたり、そっぽ向いたり、講師の言っていることには上の空・・・ (その場にいなかったけれど、その場にいたかのように、息子の様子が目に浮かびます。)

最初に試してみて難しそうだったら、1年待って 、まだやる気があったら再挑戦というかたちにすると良いというアドバイスも貰ったそうです。

まだ息子に楽器は難しいかな。 見学に来ていた他の子たちも、息子より年上の子がほとんどだったみたいだし。 時が熟すのを待ちましょう。
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息子は学校で習ったことを、よく家で再現します。

まだ0年生なので、アルファベット、スペリング、文章作成、かず、 簡単な算数、図画工作、体育、音楽といった基礎と、テーマについて学んでいます。 テーマは、例えば過去にしたのは、秋、歯、クリスマス、といったもの。 先週からのテーマは「感覚」だそうで、息子はレゴを使って箱を作り、その中に物を入れ、私に箱の中に手を入れ、中の物を「感じ」それが何か当てるように言いました。 毛布の四つ角に物を入れる方法も。

毎週金曜日に、各々の「ログブック」 に、その週にしたことを書いて(写真もついて)持って帰ってくるので、親も学校で子供が何をしたか分かるし、子供にとっても復習になります。

確かにその週、息子が家でやっていたことと同じことを学校でしていました。

前学期ですが、こんなものも家で作っていました。
rhyme1
何かというと、「韻」を習う教材。 「猫 Cat 」の絵が描いてあり、紙が切ってある下から「車 Car」が見えます。 しかし、Cat とCar では韻を踏んでいません。
rhyme2
次に下の紙を回すと「帽子 Hat 」が出てきます。 Cat と Hat で韻を踏んでいます。 (こういう風に習うんですねー。)

学校で習ったことを家でもする。 自発的に復習しているので、親として喜ばしい限り。 それだけ先生の教え方が上手いのだろうし、学校で学ぶのは楽しいんだなーと嬉しくなります。 まぁ、いつまで自発的に復習してくれるか分かりませんが・・・

学校の先生も、「家には持って帰らないけれど、学校ではワークブック(教科書)を使っています。 子供たちにとって教科書は特別で、大切に扱い、開くのを楽しみにしています。 まぁ、3年生くらいになると、教科書なんて見るのもイヤって態度になりますが。」とおっしゃっていたとか。

それと息子の問題は、やはり興味があることに対しては、このように家でも親にさせたり、教えてくれるけど、興味がないことは、すっかり忘れているというか、頭の中に入っていないよう。

息子のクラスでは、毎週一人ずつ自分のお気に入りの本を持ってきて、みんなに紹介することを始めたので、息子に「今週は誰が何の本を持ってきたの?」と聞いています。 息子は教えてくれるし、金曜日のログブックにも、持ってきた人と本のタイトル及び著者名が書いてあります。

ところが、先週は聞いても答えてくれなかった。 誰も持って来なかったの?と聞くと、うん、そう、なんて言っている。 しかし金曜日のログブックを見ると・・・なぜ息子が答えなかったのかが判明。

とある女の子が持ってきた本は、ディズニーの『フロスト』。

まったく息子の興味範囲外なので記憶が欠落しているらしい。  息子に「Iちゃんがフロストの本持って来たんじゃない」と言うと、「うん、そう」。 「おもしろかった?」と聞くと、「おもしろかった。」 さらに「何がおもしろかった?」と聞くと、「分かんない。」

やっぱり、まったく頭の中に入っていなかったようです・・・
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担任お二人と息子の言動について話し合ったのですが、私はちょうど1週間前の木曜、学童のJ先生から息子が言うことを聞かず困る、と相談を受けていました。 放課後2時間の学童は今学期1月から開始。 息子は社会性やコミュニケーションに問題があるようだが、他の子供や大人ともっと接する時間が必要だろうと参加することになったのです。
 
J先生は今学期からの臨時の方で、時々来てくれます。 なので息子は、新顔で穏やかな性格の先生をからかって、そんな態度取るのかな~と最初思いました。 子供って相手が大人でも、ちょっとバカにしたりフザケたりしても大丈夫だな、と敏感に感じ取ることってありますよね。 そのとき息子には、厳重に注意し、夫にも伝えました。 ところが、翌週の水曜日(話し合いの前日)、別の学童の先生からも同じことを言われたのです! 息子がまったく言うことを聞かず勝手な行動を取る、と。
 
このM先生は正規の学童の先生であり、午前中は息子たちのクラス(0学年)のアシスタントとして常に一緒にいます。 息子たちと同期に新任としてS校に赴任したのですが、他の障がい者の施設等に長年関わってきたベテラン。 そのM先生の言うことも聞いていないとは!
 
学童でのことを担任に話すと、息子は午前中の授業(3時間半)では特に問題なく過ごす。 授業は時間割が決まっており、そのルーティンに沿って行動するからだと思う。 しかし学童は、それほど厳密なルーティンがあるわけではない。 そのときどきにより違うことをしたり、ある程度自由に遊んだり。 そうなると息子は、ハメをはずし、それがどんどんエスカレートし、手に負えない状態になってくる。
 
自閉症の子は、決まったスケジュール通りにことが進むと安心し問題なく行動できるが、突然の変更や予想外の出来事に適応できずパニックを起こすと言われます。 息子の言動に当てはまりますね。
それと、私たちがリストに書いた、もう一つ気になっていること。 息子に「今日は学校で何したの?」と聞いても答えない。 
 
この「今日何したの?」と聞いても答えないのは、保育園時代からでした。 3~5歳くらいだと、今日保育園であった出来事を親にいろいろ話したい年頃ですよね。 それがまったくなかった。 (当時の「かかりつけ保健師」にも、このことは相談しています。 そのとき言われたのは「話したくなかっただけでしょう。 大人だって会社で嫌なことがあったら、話したくないのと同じ」と一笑され終わり。 全てが万事この調子だったんですよね、あの保健師とは。)
 
5歳で難聴が分かったとき、聞こえにくいせいで言葉の発達が遅れ、聞かれたことにきちんと答えることができなかったんだ、と納得したのですが・・・
 
補聴器を付け始め、特別支援学校にも通い始め、なのに未だ今日の出来事を聞いても答えない。 答えるときもあります、自分から言うこともあります、何か息子にとって特別興味があったり、おもしろかったりしたときは。 
 
先日も私が「今日は体育で何したの?」と聞いてもポケッとして答えない。 何度か聞いて、そうやく口を開いたと思ったら、全然関係ないことを喋り始めた。 「日本語では話しにくいことなんだろうか? 日本語の単語を知らないから言わないとか?」と私は思い、夫が帰宅してから現地語で同じことを息子に聞いたのですが、息子の反応はまったく同じ。 ポケッとして答えない。 そうなんです、言語の問題じゃない。 日本語が分からないわけじゃない。 言語とは違う問題。
 
夫の知人に、自閉症などの障害を持つ子供のケアセンターで長く働いていた人がいて、その方に息子のことを話し聞いてみると、自閉症の子は日常の出来事にこだわりを持たない、今日何があったかなんて聞いても、その子にとって当たり前のことで、特に話すべきことでもないので、忘れちゃってる、または無関心。 (その代わり、その子にとって特別だったこと、興味の対象だったことはよく覚えていて、そのことばかり話したがる傾向がある。) 息子に当てはまります。
 
それで、私たちの最終的な質問(疑問)なのですが、これら問題の原因は、息子の聞こえ? 性格? それとも、その他の要因(発達障害等)?
 
先生方も私たちの話を聞き、聞こえが問題なのではない、息子さんはきちんと聞こえている(もちろん難聴ですが)と断言。 心理療法士に会いアドバイスを受けるように勧められました。
 
ちょっと振り出しに戻るような感じ・・・ やっぱり、発達障害もあったんだ・・・ (夫の親族にアスペルガー症候群と診断された者がいるので、遺伝的にも疑っていた。) 

このブログのタイトル、「バイリンガルと聴覚障害」に「発達障害」も付けなくてはいけないかも。

でも、とにかく、息子は学校が大好きで、友達と遊ぶのも大好きで、そのことは先生方も「見ていて、本当に学校が好きなんだって、よく分かります」と嬉しそうにおっしゃり、夫も「学校じゃなくってS校が好きなんですよね。 他の人にも、ぼくS校に行ってるんだ、と得意げに言っています」と言い、みな満足気に締めとなりました。 職員も生徒も保護者も、みんなS校を誇りに思っているーと強く感じますし、この学校に入れて良かった。
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